評判悪すぎて強制終了…続編打ち切りの残念な日本映画(3)原作を読んでもいない…? クソ改悪で大不評なのは?
大人気の原作実写化を筆頭に、シリーズ化を目論んでの超大作映画プロジェクトの中には、一見ヒットしたように見えても、諸般の事情でシリーズ途中で打ち切りとなってしまった作品がある。今回は、惜しくも途中で打ち切りになった日本映画を5本セレクトしてご紹介。打ち切りになってしまった理由も交えて解説していく。(文・タナカシカ)
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血統が受け継がれ、主人公が交代する奇妙な物語
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)
監督:三池崇史
原作:荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』(集英社)
脚本:江良至
出演:山﨑賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、山田孝之、伊勢谷友介、観月ありさ、國村隼
【作品内容】
海沿いの町・杜王町(もりおうちょう)に暮らす高校生・東方仗助(山﨑賢人)はスタンドと呼ばれる特殊能力を持ち主であり、壊れたものや怪我を治すことが出来る。
杜王町では不審な変死事件が多発しており、仗助はこの一連の事件の背後には別のスタンド使いがいることを知る。
仗助は、己のスタンドを武器に、町を守るために立ち上がる。
【注目ポイント】
原作『ジョジョの奇妙な冒険』は、1987年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載した、荒木飛呂彦による日本のバトル漫画。2005年からは青年誌向け雑誌『ウルトラジャンプ』に移行し、現在も続く大人気作品となっている。シリーズの単行本は合計で100巻を超え、全世界の累計発行部数はなんと1億2000万部を突破している。(2022年1月時点)
本作『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)1部から9部まである原作の中から、第4部『ダイヤモンドは砕けない』を実写映像化したものであり、東宝とワーナーブラザーズジャパンによって初めての共同制作・配給作品となった。
本作は、「第一章」とタイトルについている通り全4章の構成で、公開される5年以上前から実写企画が始動していた。
監督は日本を代表する三池崇史。そして、主演には実写化には欠かせない存在の山﨑賢人がキャスティングされ、スペインのシッチェスで撮影されるなど、その気合の入れ様にヒット間違いなしのはずだったが、結果は散々となった。
最終的な興行収入は9億536万円と厳しく、同時期に公開された映画『銀魂』(2017)が大ヒットしたことから、本作は世間から風当たりが厳しい結果となった。
高いCG技術と作風通りのロケ地であったのにも関わらず、原作で重要とされている設定やストーリーなどを削ってしまったせいか、説明不足感は否めなかった。
本作は失敗に終わったものの、2020年には、『ジョジョ』第4部の人気キャラクター・岸部露伴を主人公としたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』が、高橋一生による主演でNHK総合で実写ドラマ化した。
こちらは好評を博し、2023年には劇場版として『岸辺露伴 ルーブルへ行く』が公開。そちらも大ヒットを記録した。これにより、原作者・荒木飛呂彦の描く世界観が素晴らしいということが証明され、多くのジョジョファンは救われたことだろう。
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