韓国ドラマ定番のラブロマンスコメディから、自然と生きる女性の人生、仕事に疲れた大人の女性の物語、少し変わったコメディーミステリーまで、間違いなく本当に面白い作品をセレクト。今回は、Netflixで配信されている作品の中から、寒い冬に見したい最高に心温まる韓国ドラマ5本を紹介する。（文・古舘美和）

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心を病んでしまった精神科の看護師と
彼女を取り巻く人々を温かく描くヒューマンストーリー

『今日もあなたに太陽を～精神科ナースのダイアリー～』

【作品内容】

大学病院で働くチョン・ダウン（パク・ボヨン）は看護師になって3年目。

心優しく、患者に丁寧に接するためにどうしても仕事が遅くなり、しわ寄せを受ける同僚たちから不興を買っていた。そんな中、上司の勧めで内科から精神科に異動することに。

だが、関わっていた患者が自殺したのをきっかけにダウン自身も精神に不調をきたし、勤務先とは別の病院に強制入院させられる。ダウンはそこで初めて、それまで相手の気持ちを優先してばかりで自分自身を大事にしてこなかったことに気づく。

【注目ポイント】

本作にはさまざまな理由から心を病んでしまった患者が登場する。上司の苛烈なパワハラにより社会不安障害を発症した男性会社員、子や仕事優先の慌ただしい毎日を送り続けた結果うつによる偽の認知症だと診断された女性、公務員試験に7回失敗した妄想障害の就活生……と、心を病むに至った患者たちの背景が切ない。

一方、そんな患者たちをケアする側もそれぞれ事情を抱えている。男と博打に入れ込む母親のせいで10代の頃から金銭的苦労が絶えない看護師、2人の子を持ち仕事と育児の両立に疲弊している看護主任、統合失調症の家族を抱え世間の偏見と闘っている看護師長（イ・ジョンウン）らだ。

心を病んだダウンは幸いにも回復し職場に復帰するが、彼女の入院歴を知った患者の家族から思いもよらない激しいバッシングを受ける。「病気の看護師には任せられない。精神疾患があるのに社会生活をするなんて」と。

ダウンは看護師長をはじめとする同僚、彼女に想いを寄せる医師トン・ゴユン（ヨン・ウジン）や親友ソン・ユチャン（チャン・ドンユン）らの支えもあり何とか耐え抜くのだが、「精神疾患というのは誰もが経験しうる予想不可能なものなんです。無関係だと思わないでください」と、看護師長が患者の家族に対して発した言葉が胸に刺さる。

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