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イタくて酷い…ヤンキー漫画史上最悪の実写映画(4)「原作ファンを馬鹿にしとんのか!」の一言に尽きるのは?

text by ZAKKY

2023年には『東京リベンジャーズ』『Gメン』をはじめ、実写映画化に成功したヤンキー漫画原作。しかし、原作漫画はヒットしていたものの、実写されたことで世界観が違いすぎると炎上したものも少なくない。今回は、イタイとまで言われるツッコミどころ満載のヤンキー漫画原作の実写映画を5本セレクトする。(文・ZAKKY)

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「原作ファンを馬鹿にしとんのか!」の一言に尽きる

『ろくでなしBLUSE』(1996)

小沢真珠【Getty Images】
小沢真珠Getty Images

監督:角銅博之
原作:森田まさのり
脚本:菅良幸、雪室俊一
出演:前田憲作、小沢真珠、梅木良則、木村輝秀、小畑由香里、川本淳一、柳澤龍志、ジャイアン池田、小林明男、川畑忍、神崎良、荻島哲哉、相沢充、平田裕二、稲葉健、加藤光亮、大石宏人、山崎崇誉、大石亨、芝直樹哉、鈴木直哉、友田健吾、酒井伸雄、野本健治

【作品内容】

プロボクサーを目指しながらも、喧嘩に明け暮れる主人公・帝拳高校の前田太尊。ある日、高校性プロボクサーである転入生・原田成吉が現れる。太尊と成吉はライバル関係を築き上げる一方、太尊を含めた東京の高校生喧嘩四天王のうち、誰が最強かといった決着をつける日が始まる。その最初の相手は、渋谷楽翠学園の鬼塚であった。

【注目ポイント】

現在でも中年男性たちのファンの胸を熱くし、その子供世代にも普及している名作。燦然と歴史を刻んだ、ヤンキー漫画の金字塔が原作である作者は後に『ROOKIES』(1998〜2003)などでも大ヒットを飛ばし、現在は「グランドジャンプ」(集英社)にて『ザシス』(2022)を連載中の、森田まさのり。

まずは、軽くこの漫画の何が上手かったかの、ポイントを解説したい。それは、本作登場以前から連載されていたヤンキー漫画の代表格である『BE-BOP-HIGHSCHOOL』『湘南爆走族』などの良い部分を、実に巧みにアレンジして昇華しているところだ。

現在で言えば、『ジョジョの奇妙な冒険』『幽遊白書』などに影響されていることが散見される『鬼滅の刃』『呪術廻戦』と言ったところであろうか。

そんな、ヤンキー漫画のターニングポイントを築いたとも言える本作の実写版が、数十年前に公開されたわけなのだが…。はっきり言って 「原作ファンを馬鹿にしとんのか!」という、有様だ。

主演の前田憲作は当時、プロキックボクサーであり、役者ではない。喧嘩シーンにリアリティーを持たせたいための起用だということは分かるが、いくら俳優として素人とは言え、どうにもこうにもセリフの棒読み感が受け入れられない。

安直に、格闘家で苗字が主人公と同じ「前田」だったからの起用としか思えないくらいだ。ただし、喧嘩シーンは、やはり迫力があり、そこを強調したいのであれば、前田憲作にほぼセリフをしゃべらせないような構成にしてもよかったのではないだろうか。

また、ヒロイン・千秋は、原作では絵に描いたような内気な性格のヤンキーでもなんでもない可愛い女子なのだが、演ずる小沢真珠がヤンキー顔なので、まったくもって千秋っぽく見えないことも言及しておこう(笑)。(まあ、原作における千秋のメソメソしためんどくさいキャラ自体がファンの間でも賛否が分かれているので、筆者の個人的な好みとしては、小沢真珠版・千秋は全然ありなのだが)

余談であるが、ドラマ版『ろくでなしBLUSE』(2011)にて、前田太尊を演じた、劇団EXILEの青柳翔も、どうにもこうにも残念な太尊であった。「なんで、太尊が、口髭生やしとんねん!」と当時、原作ファンからの総ツッコミが巻き起こったことは言うまでもない。

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