杉下右京を最も苦しめた犯人は?『相棒』史上最強の敵キャラ(1)究極のサイコパス…恐るべき二面性を持つのは?
『相棒』シリーズは2000年から現在まで約400話のテレビシリーズを始め様々なコンテンツで親しまれている。今回は様々な犯人が登場する『相棒』シリーズで最も狂気に満ちたサイコパスの犯人を5名紹介していく。S4で精神科医の内田美咲(演:奥貫薫)の言葉「悪は人を魅了する」を踏まえ、彼等に少しだけ魅了されて欲しい。(文・Naoki)
平成の切り裂きジャック 浅倉禄郎
(演者:生瀬勝久)
表向きは検察に勤める優秀な敏腕検事。大学時代は亀山と美和子の大学時代の同級生で親友でもある。しかし裏では何人もの人間を殺め続けた殺人鬼。中学時代に売春婦だった母親を事故に見せかけて殺害した事から始まり、以降は母親と同じ売春婦を殺し続けた。売春婦狙いかつ殺害する日付が1880年代ロンドンに実在した殺人鬼”切り裂きジャック”と同じだった為”平成の切り裂きジャック”と呼称され特命係を苦しめた。
浅倉は細かい登場も含めて過去に6度登場している。初登場はPreS「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」東京に配属された浅倉は売春婦5名を殺害。更には犯行を目撃した恋人も殺害するも全てを特命係に暴かれ、逮捕される。その後は死刑判決を受けながらも、少年犯罪者の更生に協力するという活躍もした。S2「ロンドンからの帰還」で刑務所から脱獄。亀山へ連絡し、検事時代に送検できなかった連続殺人犯の小暮ひとみ(演:須藤理沙)を告発し見事逮捕に貢献した。その後再度脱獄し、崖から飛び降り命を絶った。
だが、S2「私刑」にて記憶喪失だがホームレスとして生きていた事が判明。亀山必死の説得虚しく記憶は最後まで戻る事は無く、記憶喪失前に目撃した刑務所内の殺人事件の口封じで殺されてしまう。死後のS3「大統領の陰謀」では生前のホームレス時代に売春婦を更に殺害していた容疑をかけられるも、幽霊として亀山の枕元に立ち、自身の無実を訴える。
そんな浅倉の魅力は”正義と悪の二面性”。
浅倉は頭が回り、悪人や罪を許せないという正義感も強い。しかし売春婦だけは絶対に許す事ができないという執念が恐ろしい。母親を運悪く殺せてしまった為に、母が罰を受けたのだから他の売春婦も罰を受けるべきという止められない性を背負ってしまっている。
亀山や美和子と仲良く星を眺める姿と、殺人鬼としてナイフを構える姿は全くの別人のように思える。逮捕時に右京へ感謝をしながら捕まる姿を見ると、10名以上殺しておきながらも本当は誰も殺したくなかったようにすら思わされる。このあまりにも裏表がありすぎるのが、浅倉の最大の魅力だといえる。
S21で14年ぶりに亀山薫が復活し、マーロウ矢木や青楽師匠など懐かしい面々が再登場しているので、浅倉も言及されて欲しいと切に願う。
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