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最もつまらないトム・クルーズ映画は? 残念な失敗作(3)イチャイチャしたいだけ…最低最悪「俺サマ映画」は?

text by 編集部

ハリウッドのパワーランキングでも上位に食い込む人気と実力を備えるトム・クルーズ。自らの製作プロダクションを立ち上げており、プロデューサーとしても活躍している。とはいえ、それでも失敗作は生まれてしまうのが映画の難しいところ。そこで、映画に身を捧げるトム・クルーズでも面白くすることが出来なかった残念な作品を独断でセレクト。(文・高梨猛)

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トムの私情丸出し?
スランプ期に制作された迷作

『バニラ・スカイ』(2001)

上映時間:136分
原題:Vanilla Sky
製作国:アメリカ
監督・脚本:キャメロン・クロウ
キャスト:トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス

【作品内容】

1997年に公開されたスペイン映画『オープン・ユア・アイズ』のリメイク。大富豪の息子で、ルックスにも恵まれたデヴィッド(トム・クルーズ)は、あるパーティでソフィア(ペネロペ・クルス)という女性に出会い、一目惚れしてしまう。

それに気づいたデヴィッドの恋人ジュリー(キャメロン・ディアス)は、嫉妬のあまり自動車事故で無理心中を図る。三週間の昏睡から目覚めたジュリーは顔に大きなキズを負っており、人生が暗転してしまう…。

【注目ポイント】

映画『バニラ・スカイ』(左から)ペネロペ・クルス、トム・クルーズ
映画バニラスカイ左からペネロペクルストムクルーズGetty Images

トム・クルーズがイケメンのクズ男を演じて話題を集めた。恋人がいるにもかかわらず浮気にうつつを抜かし、怒り狂った彼女に無理心中を仕掛けられ、辛くも生き延びるも、顔に大怪我を負ってしまう。

とはいえ、顔の怪我はそこまでヒドいわけでもなく、従来の美しい顔立ちは健在。ファンからすると「どうせならもっと醜い姿を見せて役者として新境地を開拓してほしかった」と思うところだろう。そのような中途半端な演出が、作品の煮え切らない印象に直結している。

本作が公開される前年にはこちらも駄作として有名な『ミッション:インポッシブル2』が公開されている。どうもこの時期のトム・クルーズは浮足立っており、低クオリティーの作品が目立つ。

また本作は、公開当時、トムが狙っていたという、スペイン人女優・ペネロペ・クルスとイチャイチャしたいがために作られた作品と揶揄された。ちなみに、2人は本作の共演を機に交際に発展。2004年に破局するまで、ハリウッド屈指のビッグカップルとして鳴らしたのだった。それも含めてトム・クルーズによる完璧な「俺サマ映画」であると言い切ってしまっていいだろう。

謎めいた賛否両論のラストについては詳述しないが、「表立って会えないけど、陰ながら相手のことをずっと想ってる」みたいなオチをトム・クルーズが好みがちであるということだけは指摘しておきたい。

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