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今なら確実に炎上…! 当時は大絶賛・実は問題だらけの名作映画(5)主人公がヤバすぎて…修正に批判殺到だけど

text by 編集部

近年、映画業界では差別や偏見を無くす動きが加速。それ自体は無条件に喜ばしい事態であるが、昨今はポリコレを意識しすぎて、逆に視聴者の共感を生むことが難しくなっている傾向もある。しかし、以前はそんなことを気にせず製作された作品が多く存在した。今回は、そんな現代では批判を喰らいそうな作品を5本紹介する。(文・高梨猛)

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キャラ設定に改変の余地なし
配信バージョンは差別的セリフのカットも…。

『フレンチ・コネクション』(1971)

映画「フレンチ・コネクション」に主演した俳優のジーン・ハックマン
映画「フレンチ・コネクション」に主演した俳優のジーン・ハックマン【Getty Images】

上映時間:104分
原題:The French Connection
製作国: アメリカ
監督:ウィリアム・フリードキン
脚本:アーネスト・タイディマン
原作:ロビン・ムーア
出演者:ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ、トニー・ロビアンコ

【作品内容】

ウィリアム・フリードキン監督による、アカデミー賞5部門を獲得したエポックメイキングな刑事ドラマ。

「ポパイ」の異名を持つニューヨーク市警本部薬物対策課のドイル刑事は、捜査や犯人逮捕のためには強引な手法を厭わないタフガイ。

ナイトクラブでカネを持っている若い夫婦を不審に思ったドイル刑事は捜査を開始、やがてフランスからニューヨークにヘロインを密輸するルート“フレンチ・コネクション”の存在が浮かび上がってくる。

【注目ポイント】

リアリズムを追求したドキュメンタリーのような作風と、そして伝説的な高架下カーチェイスで、その後の刑事アクションに大きな影響を与えた傑作だが、現在、動画サイトなどで配信されている一部のバーションでは本編内の人種差別的なセリフのいくつかがカットされている。

そもそも、主役のポパイ刑事の設定が口が悪い上に差別主義的であり、間違えて味方を撃っても「まあいいや」で済ませるという破天荒なキャラクター。

ネット上では、ポパイの発言の一部をカットしたことに対して、キャラクターの魅力を削ぎ、作品のリアル志向を否定するような行為に等しいと批判の声も上がった。また、本作は20世紀フォックス作品であり、買収したディズニーの意向で修正されたのではという噂が都市伝説的に広まった。

批判者の言い分は十分理解できる。しかし、ジーン・ハックマン演じるポパイが映画史に残る魅力的なキャラクターであればあるほど、観る者に及ぼす影響も大きい。レイシズム(人種主義)を蔓延させないためにも、差別的なセリフをカットするという処置はいたしかたないとする考えを退けることは難しいだろう。

(文・高梨猛)

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