海外で絶賛された日本のドラマは? 世界進出に成功した名作(5)109カ国熱狂…奇跡を呼んだデスゲームとは?
国外ではあまり認知されているイメージのない日本のドラマだが、日本国内以上に高い人気や評価を獲得した作品も存在するようだ。中には海外での視聴率が90%に達した日本の朝ドラや、リメイク版がハリウッド映画化されるほどの出世を果たした作品も。今回は、そんな海外でも評価されている日本のドラマ作品をご紹介する。(文・寺島武志)
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Netflixでは世界各国で10位以上にランクイン
『今際の国のアリス』
配信期間:2020年12月10日~(シーズン1)、2022年12月22日~(シーズン2)
英題:Alice in Borderland
配信サイト:Netflix
原作:麻生羽呂
脚本:佐藤信介、渡部辰城、倉光泰子
キャスト:山﨑賢人、土屋太鳳、村上虹郎、森永悠希、町田啓太、三吉彩花、桜田通、朝比奈彩、栁俊太郎、渡辺佑太朗、水崎綾女、吉田美月喜、阿部力、金子ノブアキ、青柳翔、仲里依紗
【作品内容】
有栖良平(アリス=山﨑賢人)は常に優秀な弟と比べられ屈折。大学も中退し、ただただゲームに明け暮れる日々を過ごしていた。彼の友人といえるのは勢川張太(森永悠希)とカルベ(町田啓太)だけだった。3人で渋谷にいると、街から人々が忽然と姿を消す。
電気やスマホも使えない状況で、突然「GAMEを開始します」という広告が浮かび上がる。導かれるように、あるビルの中に入ると1台ずつスマホが与えられ、命を懸けた“げぇむ”に参加することになる。
一体、“げぇむ”とは何か…。どんな世界に入り込んでしまったのか。現実世界に戻るため、謎だらけの世界で、アリスら3人は挑み続ける。
【注目ポイント】
関大工学部を中退し、日本中を放浪。その旅を終えた後、マンガ家となった一風変わった経歴を持つ麻生羽呂の原作マンガを、日米合作で映像化、Netflixオリジナルドラマとして、世界190か国に配信された作品だ。
クリアするとビザを受け取ることができる反面、失敗すれば、待っているのは「死」のみ。生きるためにアリスらは過酷過ぎる“げぇむ”に参加するしかない。
配信当初から話題を呼び、Netflixの数あるコンテンツの中で、世界約40か国で10位以上にランクインし、Netflixで最も多く視聴されたドラマシリーズ歴代3位という、素晴らしい記録を残す。
日本がゲーム大国であることは、世界中の誰しもが知るところ、そこに、若者たちの群像劇を上書きした物語が受け入れられた理由の1つだろう。
単なる“デスゲームもの”ではなく、登場人物が背負った過去や運命を映し出し、互いに信頼し合い、生き残るために覚悟を決め、命の尊さも丹念に描いている人間ドラマでもある。
本作に先んじて、同じサバイバルドラマの韓国作品『イカゲーム』が配信され、記録的なヒットを生み出したが、マンガ文化では先を行く日本発の本作がこれに勝った形だ。
本作は原作・脚本・キャスト・スタッフの全てが日本人だ。恋愛ものであれば韓国、アクション作品であれば米国の後塵を拝している現状に風穴を空け、「メイド・イン・ジャパン」のドラマの可能性を示した一作だ。
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