ホーム » 投稿 » 5選記事 » 日本映画 » 大河ドラマで“主役を食った”名脇役は?スゴい演技を披露した俳優(4)そんなのあり…?ぶっ飛び設定の武将とは

大河ドラマで“主役を食った”名脇役は?スゴい演技を披露した俳優(4)そんなのあり…?ぶっ飛び設定の武将とは

text by 寺島武志

日本ドラマ作品の代表格であるNHK大河ドラマ。主人公の人生と歴史のうねりを1年かけて描く壮大なドラマは、脇役にも若手実力派から往年のベテランまで幅広く起用。中には主役に匹敵するほどの名演技を見せる者も。今回は歴代大河ドラマの中で、視聴者の脳裏に焼きついた名脇役5人をセレクト。作品の魅力とともに紹介する。(文・寺島武志)

ーーーーーーーーーー

ビジュアル系謙信
異色の存在で主役を食う名脇役

『風林火山』GACKT(上杉謙信)

GACKT
GACKTGetty Images

放送期間:2007年1月7日~12月16日
原作:井上靖『風林火山』
脚本:大森寿美男
最高視聴率:22.9%
キャスト:内野聖陽、市川亀治郎、柴本幸、仲代達矢、風吹ジュン、池脇千鶴、千葉真一、佐々木蔵之介、谷原章介、光石研、笹野高史、池松壮亮、竜雷太、田辺誠一、真木よう子、高橋一生、緒形拳、西岡德馬、市川左團次

【作品内容】

戦国時代、武田信玄に仕えた軍師・山本勘助の波乱に満ちた生涯を中心に、乱世を生き抜いた人々の姿を描いた人間ドラマ。理想の主君・信玄、永遠のヒロイン・由布姫のために、無償の愛をささげる勘助の熱き戦いを描いている。

勘助は、川中島の決戦で「啄木鳥戦法」を計画し、信玄に進言するが、上杉軍に見破られ、自らも出陣して単騎で上杉政虎(上杉謙信)の首を狙うも果たせず、壮絶な討ち死にを遂げる。

【注目ポイント】

その上杉政虎を演じたのが、“ビジュアル系四天王”の1つのロックバンド「MALICE MIZER(マリスミゼル)」のボーカルだったGACKT。バンド解散後はソロ活動を続けていたが、事実上、ドラマ初出演にして準主役という大抜擢だった。当初、“素人”の起用に、「話題作り」といった批判的な声が上がったものの、本人はそんな声を跳ね除ける演技を見せる。

とかくむさ苦しくなりがちな時代劇にあって、GACKTが演じた謙信は、まるで平安貴族のような狩衣に長髪を垂らした姿で、「ビジュアル系謙信」として大きな話題を呼び、人気を博す。どこか危ない雰囲気を漂わせ、強烈なカリスマ性をもった謙信役は、ミステリアスなイメージがあるGACKTにはハマり役だったのだ。

GACKT本人も上杉謙信という歴史上の偉人に惚れ込み、そのスタイルについて「謙信の出家は川中島の後で、それ以前はそうではなかったはずと主張してあの姿になった」とコメントしている。

作品の中で異色の存在として輝いたGACKTはインパクト十分で、主役を食う名脇役として輝きを見せ、その後、俳優として活躍するきっかけとなる。特に『翔んで埼玉』(2019~2023)シリーズには欠かせない存在となった。

【関連記事】
大河ドラマで“主役を食った”名脇役は? スゴい演技を披露した俳優(1)
大河ドラマで“主役を食った”名脇役は? スゴい演技を披露した俳優(5)
大河ドラマで“主役を食った”名脇役は? スゴい演技を披露した俳優(全作品紹介)

error: Content is protected !!