日本最高峰の演技力!芝居が上手すぎるお笑い芸人(3)世界的名監督も絶賛! 日本一のコント職人の名演技とは?
コントに漫才、バラエティ番組で、お茶の間の私たちに笑いと元気を与えてくれる芸人。彼らは、映画の世界にも、大きな影響を及ぼす存在である。ある者はコントで培った演技力、ある者は芸人としての存在感で、映画の中で重要な役割を果たす。今回は、笑いの舞台を飛び出し、映画で活躍する、演技が上手い芸人を5人セレクトして紹介する。
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是枝監督が演技を賞賛するコント職人
東京03・角田晃広『怪物』(2023)
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子
【作品内容】
大きな湖のある郊外の町に住む早織(安藤サクラ)は、小学5年生の息子・湊を育てるシングルマザー。ある日、学校から怪我をして帰ってきた湊に何があったかを問い詰めると、湊は「保利先生(永山瑛太)に殴られた」と答えた。
早織が学校へ行くと、校長の伏見(田中裕子)や教頭の正田(角田晃広)は、穏便に済ませようと取り繕い、担任の保利は「誤解があった」と悪びれない様子。
激怒した早織は告発し、この一件は世間に広まるが、実は息子が他の生徒をいじめていると聞く…。
【注目ポイント】
関東を代表する実力派コントトリオ・東京03。ボケ担当の角田は、2010年代前半からテレビドラマに出演する機会が増え、とりわけ、大河ドラマ『いだてん』、TBSの大ヒットドラマ『半沢直樹』などで目を引く芝居を披露。名脚本家・坂元裕二が脚本を手がけた『大豆田とわ子と三人の元夫』では、メインキャストである主人公の二番目の夫に扮し、豪華俳優陣の中でも負けない存在感をみせた。
そんな角田の映画俳優としての目下の代表作は、『大豆田』の坂元裕二が脚本を担当した『怪物』だろう。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞し、日本のみならず世界でも注目を集める本作。角田は安藤サクラ演じる早織の息子・湊が通う学校の教頭という役で出演。
是枝監督は角田の芝居に対し、セリフの間の取り方や、画面の中でのポジションどりが的確と絶賛。角田は役に入り込む才能はもちろん、同時に現場でどう動けば良いのかを、俯瞰して見る力が長けているのであろう。
どういったシーンで、何を一番見せたいのかというのを理解して動ける力は、東京03の3人でのコントで培ったものなのだろうか。
本作での角田は、出るところは出る、引くところは引くというようなバランスの良さを感じさせる。物語の中で教頭先生という立場として生きているのだが、とっさに空気にもなれるような、日常の一コマに溶け込む巧さが際立つ。しかし存在感がないわけではない。なんとも不思議な役者である。
今後も角田の役者業に注目していきたい。
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