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おじさんにダメ男でもマーベル超えの面白さ…日本の偉大なヒーロー映画(1)変態なのにかっこいい…奇跡の男は?

text by ZAKKY

根強く人気のある「スーパーヒーロー映画」。近年、「ヒーロー疲れ」という言葉が生まれ、ファンが離れる一方、常識を外れた設定や型破りなヒーローの出現により、幅広く支持される作品がある。今回は、定年間近のおじさんや、ダメ男など、常識の枠を外れたことで大成功を収めた、最高のヒーロー映画5選を紹介する。(文・ZAKKY)

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カッコよさと気持ち悪さが共存した稀有なヒーロー映画

『HK 変態仮面』(2013)

鈴木亮平
鈴木亮平Getty Images

監督:福田雄一
脚本:福田雄一
原作:あんど慶周
出演者:鈴木亮平、清水富美加、ムロツヨシ、安田顕、佐藤二郎、塚本高史、岡田義徳、大東俊介、大石吾朗、木南晴夏、高畑充希、松永博史、池田成史、片瀬那奈、今野浩喜、鈴之助、平子祐希、安田聖愛、大水洋介、牧田哲也、久保田悠来、足立理、森渉、上地春奈、笠原秀幸、立花彩野、矢崎広

【作品内容】

マゾフィストの刑事とサディストのSM女王の息子、紅優高校拳法部員の色丞狂介(しきじょうきょうすけ)(鈴木亮平)。転校生の姫野愛子(清水富美加)に恋をした狂介は、銀行強盗の人質になった愛子を救うために変装し、強盗たちに立ち向かおうとするが、マスクと間違え、パンティを被ってしまう。その時、狂介の中で何かが目覚めた。狂介は変態能力が覚醒した「変態仮面」となり、超人的な力を身に着けた変態ヒーローとなる。

【注目ポイント】

原作はあんど慶周による『究極!!変態仮面』(1992~/「週刊少年ジャンプ」集英社)伝説の漫画。

監督・脚本を福田雄一が務めており、原作の設定やテイストを忠実に再現した完全オリジナルストーリーであり、「福田雄一監督による漫画原作の実写化にハズレなし!」伝説が始まった記念すべき第1作目である。

加えて、脚本協力に小栗旬が関わっており、ちなみに彼は映画監督・脚本家としての顔を持つ。彼は当初、主演を希望していたというが、結局、主役の座はブレイク前夜の鈴木亮平に託された。

さて、そんな主演の鈴木亮平だが、筋肉質の変態仮面を演じるため、体重を15kg増量し、その上で脂肪をそぎ落とすという肉体改造を行ったという。

劇場で彼の強靭かつしなやかな洗練された肉体美を観た女性ファンたちは、うっとりとし、ただのコメディ―映画を観に来たつもりだった男性たちは、度肝を抜かした。

そして、原作ファンの野郎たちからは「何、そこまでカッコよくしてんねん!」「鈴木亮平には負けた」という嫉妬も含めた賛辞の声が巻き起こり、鈴木の出世作となった。

普段おとなしい青年・色丞狂介がパンティを被ると正義の変態と化し、悪を倒すという非常に馬鹿馬鹿しい設定の今作。しかし、色丞自身は「俺は変態じゃない」とあくまで、変態であることは否定しているという人物であるということも、くだらなくて面白い。

余談だが、本当はお洒落なポップスを演りたい根岸崇一が、なぜかデスメタル界のカリスマ「ヨハネ・クラウザーII世」になってしまういう名作漫画『デトロイト・メタル・シティ』(若杉公徳・著/2005~/白泉社/実写映画版2008年公開)にも、その血は受け継がれているのではと、筆者は勝手に想像する。

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