主役よりも目立っている…? 映画史上最高のサブキャラクター(5)男の脳天ぶっ放し…最強の超絶美少女とは?
次々と新たな映画が生み出されていくが、記憶に残る作品はそう多くはない。人々の心を鷲掴みにする作品は、簡単には塗り変わらないように思える。今回は、脳裏に焼き付くような怪演を披露し、主役よりも目立った俳優を5名セレクト。映画史にその名を轟かせた俳優とは?作品の内容と共に、裏話も紹介する。(文・市川ノン)
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本作がブレイクスルー。アクションシーンはほぼ本人が熱演
『キック・アス』クロエ・グレース・モレッツ(ヒットガール役)
製作年:2010年
製作国:アメリカ
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
キャスト:アーロン・テイラー・ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ、マーク・ストロング
【作品内容】
マーク・ミラーとジョン・ロミータ・Jrによる同名のコミック『キック・アス』を原作とした、スーパーヒーロー映画。デイヴ・リゼウスキ(アーロン・ジョンソン)は、アメリカン・コミックのスーパーヒーローに憧れている少年。
誰もヒーローになろうとしないことに疑問をもった彼は、自分で本物のヒーローになろうと思い立ち、ネットで買ったスーツを着てヒーロー活動を開始する。しかし、何のスーパーパワーも持っておらず訓練もしていない彼は、あっさり暴漢に刺された上、車にはねられ病院送りとなる…。
【注目ポイント】
母親の仇をうつため、父親(ニコラス・ケイジ)に銃器、薙刀、バタフライナイフの扱い、マーシャルアーツなどを仕込まれたヒット・ガールをクロエ・グレース・モレッツが演じた。彼女はヒーローに憧れるオタクの少年を派手なアクションで助けていく役割を果たすわけだが、正直、本作を観終わった後、印象に残るのは主人公よりも彼女のアクションである。
11歳という設定の少女が、放送禁止用語を発しながらバタバタと敵を殺していく姿は公開当時、目の肥えた映画ファンたちを熱狂させた。マーシャルアーツやガンアクションなど過激なアクションシーンのオンパレードなのだが、そのおよそ9割をクロエみずから演じたというから驚きだ。
この撮影のために彼女は半年以上の訓練を行ったという。そんないたいけな少女が銃で男たちの脳天をぶっ放し、血飛沫を浴びながらナイフで刺殺するシーンの連続に痺れること間違いなしだ。
難易度の高いアクションを演じ切ったクロエは、今作で数々の若手俳優賞やブレイクスルー演技賞などにノミネートされる。その後、彼女は『モールス』(2010)、リメイク版『キャリー』(2013)といった話題作で主役を務めるのだが、そのいずれにおいてもピュアであるがゆえの暴力性を内に抱えたキャラクターを繊細に演じている。その礎となったのは、『キック・アス』でヒットガールを演じた経験であるに違いない。
今や大女優の仲間入りを果たしているクロエ。今後も代表作は増えていくだろうが、彼女の才能が本格的に開花した作品として、本作は永遠に語り継がれることだろう。
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