「最悪のジャンプ漫画実写化は…?」大失敗の実写映画(2)。映画史上最低最悪…世界を唖然とさせた超迷作
人気漫画を原作とする実写映画は数多いが、中には原作ファンから不評を買った、残念な作品も少なくない。もちろん、原作ファンを唸らせる作品を制作するのは簡単なことではない。そのハードルは高く困難である。しかし、そんな苦難を乗り切れなかった…いや!そもそも乗り越える気すらないのでは?と疑いをかけたくなる作品が多いのも、また事実。今回は『週刊少年ジャンプ』掲載作品に絞り、残念な実写化作品を5本紹介する。(文・ZAKKY)
●悟空が学生で、いじめられっ子!? 国民的コミックの無残な実写化
『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009)
監督:ジェームズ・ウォン
脚本:ジェームズ・ウォン、 鳥山 明、 ベン・ラムジー
キャスト
孫悟空:ジャスティン・チャットウィン
ブルマ:エミー・ロッサム
チチ:ジェイミー・チャン
亀仙人:チョウ・ユンファ
【作品内容】
世界的な人気を誇り、現在30~50代の日本人男性において、観たこと・読んだことのない人は極めて少ないのでは?と思われる、国民的コミック「ドラゴンボール」の実写版。ドラゴンボール生誕25周年を記念して、アメリカ・香港・メキシコの三ヵ国の合作という形で作られた。海外資本による、日本が誇るスーパーコンテンツの実写版だが、その内容・出来には、悪い意味で誰しもが驚愕した。
【注目ポイント】
B級SF映画をわざと狙っているとしか思えない、チープな世界観と映像の乱立。そして、これも故意に原作ファンを挑発しているとしか思えない、原作の無茶苦茶な設定変更。悟空が学生で、いじめられっ子って….。
また、映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』(1985)や海外ドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』を意識した、無理やりなオマージュシーンも見受けられ、失笑のオンパレードなのである(これはこれで、見方によっては面白いと言えるのだが)。
さらに、アメリカで活躍する女優・田村英里子を、原作ではメインキャラではない“マイ役”として起用。彼女がなぜか、ピッコロ大魔王の手下という立ち位置なのだ。
以上のような、意図の不明な設定変更に、ファンたちは唖然とした。のだが、2015年より放送された、鳥山明が原案を務めるアニメ『ドラゴンボール超』では、マイがトランクスの恋人にコンバートされるといった、これまた予想だにしなかった展開を観ると、この映画の制作陣は先見の明があったのかもしれない。思わず同情的な論調に傾きかけたが、そんなことは、多分ないだろう。おそらく、『ドラゴンボール超』では鳥山明先生が、この映画への皮肉も込め、パロディーとして思いついた案が採用されているのではないかと、推測できる。
なにはともあれ、『ドラゴンボール』を、どうやったら、こんなチープな作品に仕立て上げられるのか。一切の皮肉抜きで、制作陣にインタビューをして真意を確かめくなるほどの迷作である。
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