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鳥肌立つほど凄まじい…大河ドラマ史上最高の主演俳優(3)「気持ち悪い」が褒め言葉…極悪な名演を見せたのは?

text by 寺島武志

毎年、誰が主演を務めるのか大きく期待される大河ドラマ。歴代の大河ドラマで主演を務めた役者も、大きなプレッシャーや難題に打ち勝ち、1年間1人の偉人の生涯を演じきるのだ。その姿に視聴者は感動し、賛辞を送る。そこで今回は、近年の大河ドラマで主演を務めたベスト俳優を5人セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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視聴者が嫌悪感を抱く名演技を披露

●小栗旬『鎌倉殿の13人』

小栗旬
小栗旬Getty Images

放送期間:2022年1月9日~12月18日
脚本:三谷幸喜
他キャスト:大泉洋、小池栄子、山本耕史、片岡愛之助、松平健、新垣結衣、小泉孝太郎、佐藤浩市、西田敏行、市原隼人、坂東彌十郎、菅田将暉、三浦透子、石橋静河、青木崇高、市川染五郎、中村獅童、中川大志、堀田真由、菊地凛子、坂口健太郎、宮沢りえ、瀬戸康史、金子大地、寛一郎、柿澤勇人、迫田孝也、高岸宏行、草笛光子、佐藤二朗、鈴木京香、市川猿之助、大竹しのぶ、長澤まさみ

【作品内容】

平家がこの世の春を謳歌していた平安時代末期。伊豆の弱小豪族の次男だった北条義時は、平家打倒を掲げる源頼朝の随一の側近となり、鎌倉幕府のかじ取りを担うことになる。

やがて、頼朝が病没し、2代頼家、3代実朝も没して源氏の正統後継者が途絶えると、家臣団13人による激しい権力抗争が勃発。最終的に、源頼朝から政の全てを学んだ北条義時が武士の頂に立つことになる。

さて、そんな義時に、憤りを覚えていたのが時の後鳥羽上皇。彼は、近臣たちに義時討伐の命を出すが…。

【注目ポイント】

『新選組!』(2004)、『真田丸』(2016)の三谷幸喜が描く立身出世物語。作中では、三谷らしいコミカルなシーンをふんだんに盛り込みつつ、主人公である北条義時の自己保身のために仲間を陥れる冷酷さが描かれる。また劇中では、三浦義村(山本耕史)をはじめとする周囲のキャラクターの一挙手一投足を気にするなど、主人公らしからぬ気の弱さも垣間見せる。

その後、権力を蓄えていった義時は、非情さが際立ち、菅田将暉演じる源義経も彼の標的に。みずからの手を汚さずに義経を討つために思案する義時=小栗のダークなまなざしにゾッとした視聴者は多いのではないだろうか。もちろん、この場合、視聴者の鳥肌は、役者にとって勲章以外の何ものでもない。

SNS上では「ダークサイド」「鬼」などといった声が上がったが、これについて小栗は「役者冥利につき、演じる自分にも励みになった。義時はストーカー気質を持っていた人物だったと感じていたので“気持ち悪い”と言ってもらえるのが一番うれしかった」と語り、視聴者の嫌悪感は、自らの演技が伝わった賜物であると、歓迎のコメントを残している。

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