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これが実話…!? 胸アツな野球映画(3)。ブラッド・ピットの最高級傑作! 野球を変えたデータの鬼

text by 編集部

白球を追う選手たちの華麗な身のこなし、勝利にかける思いとチームメイトとの友情…。グラウンドには沢山のドラマが詰まっている。今回は、野球をテーマにした珠玉の映画を厳選してご紹介。セレクトした作品はすべて実話が基になっている。モデルとなった出来事や人物の知られざる秘話に触れることで、もっと野球が好きになるはずだ。

●データ戦術を駆使して予算をかけずに弱小チームを強豪に!

『マネーボール』(2011)

ビリービーン 写真getty images

原題:Money ball
監督:ベネット・ミラー
脚本:スティーヴン・ザイリアン、アーロン・ソーキン
キャスト:ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン

【作品内容】
かつて超高校級選手としてニューヨーク・メッツ入団した、ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)はプロとしては芽が出ず、さまざまな球団を転々としたのち現役を引退。裏方に転身した。2001年。アスレチックスのGMの座に就いたビーンは、次のシーズンに向けて戦力を整えるべく補強資金を求めるも、資金に余裕のないオーナーからは断られてしまう。そんな中、イエール大学卒のピーター・ブランドと出会ったことをきっかけに、理論でチームを強くすることを思いつく。

【作品解説】
原作は、マイケル・ルイスによるノンフィクション『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』。主演のブラッド・ピットは製作総指揮も務めている。興行的な成功に加え、批評家からも高い評価を獲得し、2010年代以降のブラッド・ピット主演作の中でも、ベストに推す映画ファンも少なくない。

データと理論を味方につけ、貧乏弱小球団があれよあれよという間に快進撃を繰り広げる模様は爽快感抜群。野球の「別の見方」を養えるという点でも、お勧めしたい一作だ。

モデルとなったのは、メジャー屈指のゼネラルマネージャー
ビリー・ビーン

現役時代はメッツ、ツインズ、タイガースを転々とし、鳴かず飛ばずで終わったものの、裏方に転向して以降、持ち前の才能が開花。

1997年に低迷が続くアスレチックスのゼネラルマネージャーに就任すると、統計学的見地からデータを分析し、選手の評価や戦略を考える「セイバーメトリクス」という手法を重視。

資金をかけて戦力を補強するのではなく、無駄な要素を省くことでチーム力を高めることに成功し、2002年にはア・リーグ記録となる20連勝を実現。卓越した手腕で、アスレチックスを常勝軍団の地位に押し戻した。

映画『マネーボール』において、「セイバーメトリクス」の説明は漠然としかされないため、本格的にデータ理論を学ぶのには足りない。しかし、選手として挫折した経験を活かし、裏方として別の道で大成するビリー・ビーンの姿からは、勇気がもらえる。かつて球児だった者であれば、感動はひとしおだろう。

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