杉咲花が主演を務めたドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』（カンテレ・フジテレビ系）。若葉竜也や岡山天音など、俳優たちによる名演技も相まって、その興奮と衝撃はいまだ冷めない。ドラマ史上に残る傑作となった本作の魅力を5つのポイントに分けて深掘り考察する。 （文・かんそう）

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【著者プロフィール：かんそう】

2014年から、はてなブログにてカルチャーブログ「kansou」を運営。記事数は1000超、累計5000万アクセス。読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る。クイック・ジャパン ウェブ、リアルサウンド テックなどの媒体でライター活動を行うほか、TBSラジオで初の冠番組『かんそうの感想フリースタイル』のパーソナリティも務め、2024年5月に初書籍『書けないんじゃない、考えてないだけ。』を出版した。

アンメットが名作になった理由①「名俳優ビュッフェ」

『アンメット』が傑作になった理由として、まず、1番に挙げたいのは「配役の妙」だ。圧倒的な演技力でアンメットを引っ張っていた主演の杉咲花、若葉竜也を始め、キャスティングがあまりにも素晴らしい。

　苦悩する青年役のプロフェッショナル岡山天音をはじめ、杉咲花や若葉竜也が属する病院の仲間たちは、可愛さだけでなく渋みのある演技で新境地を切り開いた千葉雄大、華やかさを消し、役そのものに入り込んでいた吉瀬美智子、いまやムードメーカーとしてドラマ界に欠かせない存在になった野呂佳代、ミヤビの親友役として最後まで影で支え続けた山谷花純、人情味あふれる温かい雰囲気でドラマのオアシスとしての役目を果たした安井順平など、名だたる俳優が演じた。

　さらに、全人類大嫌いジジイ役の達人・酒向芳、味方なのか敵なのか分からない男を演じさせたら日本トップクラスの怪しさを持つ井浦新、嫌味な前半と素直な後半のギャップがたまらない生田絵梨花など、演技力に定評のある役者たちをこれでもかというほど起用しており、まさに「名俳優ビュッフェ」だったのだ。

　この一分の隙もない奇跡とも呼ぶべきキャストが絶妙なバランスで配役されているからこそ、このアンメットというドラマを最後まで一瞬も飽きることなく観続けられたのだろうと推察する。

（文・かんそう）

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