杉咲花が主演を務めたドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』（カンテレ・フジテレビ系）。若葉竜也や岡山天音など、俳優たちによる名演技も相まって、その興奮と衝撃はいまだ冷めない。ドラマ史上に残る傑作となった本作の魅力を5つのポイントに分けて深掘り考察する。 （文・かんそう）

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【著者プロフィール：かんそう】

2014年から、はてなブログにてカルチャーブログ「kansou」を運営。記事数は1000超、累計5000万アクセス。読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る。クイック・ジャパン ウェブ、リアルサウンド テックなどの媒体でライター活動を行うほか、TBSラジオで初の冠番組『かんそうの感想フリースタイル』のパーソナリティも務め、2024年5月に初書籍『書けないんじゃない、考えてないだけ。』を出版した。

アンメットが名作になった理由②
直接的な表現を避ける恋愛描写の繊細さ

　アンメットでは早い段階から、ミヤビ（杉咲花）と三瓶（若葉竜也）が婚約者であったことが明示されていた。しかし、言葉でのプロポーズなどのやりとりはあるものの、キスなどのラブシーンは最後までいっさい描かれない。それでも2人の間には強い結びつきがあるのだと視聴者全員が心から感じることができるのは、セリフ一言一言から想いが感じ取れるからだ。

　ミヤビ「三瓶先生。三瓶先生は、私のことを灯してくれました」（第9話）

　三瓶「おはようございます。三瓶友治です。同じ病院で働いている脳外科医です。今後、このまま入院しますか？ 特に治療はしてないので、自宅療養も出来ますよ。僕も少し休みをとります。一緒にいませんか？」（第11話）

「好き」「愛してる」と言わなくても、想いが痛いほどに伝わってくる。アンメットは極上の医療ドラマであると同時に、極上の恋愛ドラマでもあるのだ。

（文・かんそう）

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