『アンメット』は「ながら見」を許さなかった。稀代の名作となった5つの理由は?(3)ドラマの細部から魅力を解説
text by かんそう
杉咲花が主演を務めたドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)。若葉竜也や岡山天音など、俳優たちによる名演技も相まって、その興奮と衝撃はいまだ冷めない。ドラマ史上に残る傑作となった本作の魅力を5つのポイントに分けて深掘り考察する。 (文・かんそう)
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【著者プロフィール:かんそう】
2014年から、はてなブログにてカルチャーブログ「kansou」を運営。記事数は1000超、累計5000万アクセス。読者登録数は全はてなブログ内で6位の多さを誇る。クイック・ジャパン ウェブ、リアルサウンド テックなどの媒体でライター活動を行うほか、TBSラジオで初の冠番組『かんそうの感想フリースタイル』のパーソナリティも務め、2024年5月に初書籍『書けないんじゃない、考えてないだけ。』を出版した。
アンメットが名作になった理由③
声量を抑えたセリフ回し
アンメットの最大の特徴、それは「声」だ。他の民放ドラマと比べてもとんでもなく声量が小さい。確実に、字幕設定、イヤホン推奨。犬を飼っていたり赤ん坊を育てている家庭にはあまりにも向かないドラマでもある。
特にSNSなどでも話題になった9話のミヤビと三瓶の長回しのシーンは、良い意味でなんと喋ったのかわからない箇所があり、もはやドラマを観ているのではなく「2人が2人にだけ向けて喋っていて我々視聴者はそれを覗き見している」感覚に陥った。
スマホを操作しながらのリアルタイムのつぶやきが最重要視されている現代のドラマ界において、いっさい「ながら見」を許さない演出こそ、アンメットの魅力だと私は感じている。余計なことは何も考えず目の前に提示された物語に、ただ没頭する。本来ドラマというのはこういうものだった、と改めて痛感させられた。
(文・かんそう)
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