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ぶっ飛び設定がエグい…過激すぎてヤバい昭和の傑作日本映画(2)ピンク映画から…衝撃のアナーキー映画とは?

昨今の映像作品には様々な制約があり、なかなか自由に製作するのが難しい世の中となっている。しかし昭和時代に製作された作品は、突飛なものや、踏み込んだ作品が多く、かなり制限が緩かったように思える。今回は、今の時代には絶対創ることが出来ないようなコンプラアウトな日本映画を5本紹介する。(文:村松健太郎)

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『おくりびと』滝田洋二郎監督が
こんなアナーキー映画を撮っていた!

『コミック雑誌なんかいらない』(1986)

HANA-BIを製作した北野武監督
北野武監督Getty Images

監督:滝田洋二郎
脚本:内田裕也、高木功
出演:内田裕也、渡辺えり子、麻生祐未、ビートたけし

【作品内容】

ワイドショーの芸能リポーターの目線から、1985年当時社会を騒がした事件や出来事を追いかける、劇中の出来事は映画製作当時に実際に起きた事柄。

【注目ポイント】

後に『陰陽師』シリーズ(2001~2003)のような大ヒット作品から、オスカー受賞作品の『おくりびと』(2008)、国内賞レースを賑わした『壬生義士伝』(2003)などを手掛け、今や巨匠と言っても過言ではない滝田洋二郎監督。

しかし、彼もまた当時の映画監督のキャリア形成の流れに乗ってピンク映画(成人映画)で監督デビューを飾った一人でもある。当時のピンクは、濡れ場さえあれば後は何もしても良いという状況だっため、野心を持った新進映画監督の多くがその門をたたき、映画的才能を存分に発揮した。

『コミック雑誌なんかいらない』はそんな滝田洋二郎監督の一般映画デビュー作。内田裕也(企画・脚本兼任)、原田芳雄、郷ひろみ、さらにはビートたけしなどバラエティ豊か且つアナーキーな面々が揃った。

当時社会を大いに賑わした詐欺事件である豊田商事事件とその末路である豊田商事会長刺殺事件に加え、「ロス疑惑」と呼ばれた一連の刑事事件、さらには日航ジャンボ機墜落事故など、映画製作当時リアルタイムで進行していた実在の事件を大胆に取り込んだ過激な作りになっている。

各事件を内田裕也演じるワイドショーの記者の視点で描くという構成もユニークだ。ちなみに、豊田商事会長刺殺事件の犯人を迫力たっぷりに演じているのは、映画監督デビュー前夜のビートたけしである。

モデルになっている事件を一切隠す気がなく、現在だったら事件関係者への配慮を欠いているとしてネットで大炎上しかねない作品である。

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