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お粗末すぎて逆に面白い…史上最悪の日本のアクション映画(5)子供に見せたくない…残酷描写が物議を醸した迷作

text by ZAKKY

仮面ライダーからマーベルまで、いつ時代も子供たちの心をわしづかみにしてきた「アクション映画」。しかし、中には予算や演技といった大人の事情から残念な出来になってしまった作品も存在する。今回は、その中でも特につまらないと言われる伝説の駄作5本を紹介。ストーリーや演技など、さまざまな角度から切り込んでいく。(文・ZAKKY)

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庵野秀明の“ライダー愛”が炸裂した往年のファン垂涎の一本

『シン・仮面ライダー』(2023)

池松壮亮
池松壮亮Getty Images

監督:庵野秀明
脚本:庵野秀明
原作:石ノ森章太郎
出演者:池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、塚本晋也、松尾スズキ、手塚とおる、西野七瀬、本郷奏多、上杉柊平、長澤まさみ、仲村トオル、安田顕、市川実日子、松坂桃李、大森南朋、斎藤工、竹野内豊、森山未來

【作品内容】

「人類を幸福に導く」をうたい文句とする悪の組織「SHOCKER」により、バッタオーグに改造された本郷猛(池松壮亮)は、緑川弘博士(塚本晋也)とその娘ルリ子(浜辺美波)とともに組織を裏切り、逃亡を図る。改造された際に搭載された「プラーナ」の力で、追って来る敵をなぎ倒していくも、殺してしまったことに苦悩する本郷。当初は倒した敵に悔恨の情を抱いていたが、緑川博士が「SHOCKER」に殺されたことにより「仮面ライダー」を名乗りって戦うことを決意する。

【注目ポイント】

『シン・ゴジラ』(2016)、『シン・ウルトラマン』(2022)に続く、庵野秀明監督の「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」作品第三弾。主人公本郷猛を池松壮亮が、緑川ルリ子を浜辺美波が演じる。

監督自身、「色々いじったが、一周まわって原点に戻ってしまった」と語る本作。変身ベルトに風を受けると変身するという設定や、独特の変身ポーズは、オールドファンであれば膝を打つこと請け合いだろう。

また、バイクの造形など、旧作ファンを唸らせるビジュアルへのこだわりも本作の魅力の一つだ。

とはいえ本作、旧作へのオマージュが全開なため、現代の戦隊モノと比べると迫力で劣る点は否めない。特に、目の肥えた現代の子供たちに「ライダーキック」の物理攻撃は物足りないだろう。加えて、ライダーキックをくらったショッカーの身体から大量の血が飛び出るなど、描写自体はショッキングであるため、親として子供に見せたいと思えない。はなから子供に見せるために作っていないとはいえ、特撮映画として致命的な弱点ではなかろうか。

筆者個人的には傑作だと思っている。しかし、より高度で刺激的なアクション表現に慣れ切った今の観客に響くかどうかは微妙なため、あえてランクインさせた(ちなみに「怪人」を「オーグ」に変えた点は個人的に評価したい)。

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