「絶対に助からない…」 “世界の終わり”を描く映画(2)。全滅と捕食で地球終了…最高のバッドエンドとは?
新型コロナウイルスの流行によって人々の暮らしは一変した。今後、さらに恐ろしい災難がやってこないとは限らない。今回は世界滅亡の危機を描いた作品を5本セレクト。惑星衝突、パンデミック、異常気象…。映画を通じて”世界の終わり”を追体験することで、いつかくるかもしれないXデーに対して心の準備をしておくことは無駄ではないだろう。(文・寺島武志)
●惑星衝突で地球終了…。人類の危機をユーモラスに描いた異色作
『ドント・ルック・アップ』(2021)
原題:Don’t Look Up
製作国:アメリカ
監督:アダム・マッケイ
脚本:アダム・マッケイ
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、ロブ・モーガン、ジョナ・ヒル、マーク・ライランス、メリル・ストリープ
【作品内容】
『ドント・ルック・アップ』は、彗星衝突という地球の危機を察知した落ちこぼれの天文学者と、その教え子が、世界中にその事実を伝えようと奔走する姿を描いたコメディ作品。
大統領や大統領補佐官と対面したり、ワイドショーに出演するなどして、熱心に危機を訴えて回る主人公だが、人類への警告は至難の業で、空回りしてばかり。タイトルである「ドント・ルック・アップ」とは、直訳すると「空を見上げるな」という意味。空を見上げてしまうと地球に接近している彗星を目にしてしまう可能性があるため、大統領陣営は大衆に空を見上げないように呼びかけようとする。そのためのスローガンがタイトルとなっているのだ。
【注目ポイント】
「ドント・ルック・アップ」という言葉には、「真実から目を逸らす」という意味もある。彗星衝突によって地球の危機を訴える2人が訴えるスローガンは「ルック・アップ」。これは、逆に「空を見上げよう」という意味である。しかし本当のところは「真実から目をそらさずに運命に立ち向かおう」という意味も含まれている。
この、相反する2つの信念のぶつかり合い、すれ違いが、ユーモラスに描かれるところが、本作の見所となっている。結果として、彗星は地球に衝突し、残った人類は全滅。宇宙船に乗って、地球を脱出した大統領などの有力者は、未知の惑星に到着し、新たな人類史を作ることを決意する。しかし、避難先の惑星には肉食獣が生息しており、一人残らず捕食されるというウィットに富んだバッドエンディングは必見だ。
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