リメイクしたら大ヒット? 今、最も復活してほしい海外映画(2)若死にした天才俳優の演技に震える…伝説の作品
2003年公開の『テキサス・チェーンソー』を皮切りに、ホラー映画界隈では、有名作品のリメイク&リブートが相次ぎ、新しい観客を獲得することに成功した。今回は、名作ぞろいの1980年代において、今、リメイク(リブート)したら、話題必至の作品を5本セレクト。作品の魅力を余すところなく紹介する。(文:村松健太郎)
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【著者プロフィール:村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
1980年代の雰囲気を鮮やかに切り取った青春映画の金字塔
『スタンド・バイ・ミー』(1986)
上映時間:89分
原題:Stand by Me
製作国:アメリカ
監督:ロブ・ライナー
原作者:スティーヴン・キング
脚本:レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エヴァンス
キャスト:ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド、ケイシー・シマーシュコ、ゲイリー・ライリー
【作品内容】
アメリカを代表するベストセラー作家スティーブン・キングの中編小説を映画化した青春劇。スティーブン・キングと言えばホラー作品の印象が強いが、本作は1994年公開の『ショーシャンクの空に』(原作のタイトルは「刑務所のリタ・ヘイワース」)などと並ぶ、非ホラー系の代表作の1本である。
【注目ポイント】
メガホンをとったのは、フェイクドキュメンタリー『スパイナル・タップ』(1984)でデビューしたロブ・ライナー。デビューしてわずか2年で、青春映画の金字塔として名高い本作を作り上げた。
その後も、ロマンティックコメディ『恋人たちの予感』(1989)、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した『最高の人生の見つけ方』(2007)といった秀作を世に問うなど、息の長い活躍を見せている。スティーブン・キング原作の『ミザリー』(1990)を手がけたのもライナーである。
ロブ・ライナーの手腕もさることながら、本作を傑作たらしめている要素としてキャスティングに触れないわけにはいかないだろう。リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランドといった若手俳優を積極的に起用し、1980年代の雰囲気が鮮やかに切り取られている。
時代を超えて舞台版が上演され続けるなど、ストーリーには普遍性があり、時代を選ばない内容となっている。ちなみに日本版の舞台作品では、市川新之助(現・市川團十郎)やアイドルグループ嵐のメンバー、生田斗真、尾上松也といった、実力と人気を兼ねそなえた若手がメインキャストにコンバートされている。
リメイク&リブートとなると、やはり肝はキャスティング。実力と将来性を兼ね備えたキャストを集めたいところ。創り手にはかなりの選球眼が求められる。大々的なオーディションを展開するのも良いだろう。特に夭折したリバー・フェニックスが演じた、少年たちのリーダー格クリス・チェンバース役を誰に託すのか。このキャスティングは映画の成功の鍵を握っていると言っても過言ではない。
失敗した時のリスクは大きいが、成功の暁には輝かしい名声が待ち受けている。その点、博打的な企画ではあるが、イチかバチかの賭けに打って出る気骨のある映画プロデューサーはいないものだろうか。
(文:村松健太郎)
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