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なぜリメイクされない? 今、最も復活すべき海外映画(3)伝説俳優の最期の演技がヤバい…日本人絶賛の逸品

2003年公開の『テキサス・チェーンソー』を皮切りに、ホラー映画界隈では、有名作品のリメイク&リブートが相次ぎ、新しい観客を獲得することに成功した。今回は、名作ぞろいの1980年代において、今、リメイク(リブート)したら、話題必至の作品を5本セレクト。作品の魅力を余すところなく紹介する。(文:村松健太郎)

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【著者プロフィール:村松健太郎】

脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。

日本の映画ファンにとって特別な1本

『ブラック・レイン』(1989)

映画『ブラック・レイン』
映画『ブラック・レイン』【Getty Images】

上映時間:125分
原題:Black Rain
製作国:アメリカ
監督:リドリー・スコット
脚本:クレイグ・ボロティン、ウォーレン・ルイス
キャスト:マイケル・ダグラス、高倉健、アンディ・ガルシア、松田優作、ケイト・キャプショー、若山富三郎、内田裕也

【作品内容】

大阪を舞台にしたリドリー・スコット監督作品。マイケル・ダグラスとアンディ・ガルシア演じるアメリカの刑事が、高倉健演じる日本の刑事と協力して、松田優作扮するヤクザと戦うクライムアクション。

【注目ポイント】

 本作は、『エイリアン』(1979)や『ブレードランナー』(1982)を手がけたリドリー・スコット監督が絶頂期に手がけた作品であり、マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作など、日米の豪華キャストが集結した作品である。

 大阪ロケが敢行された作品であるためか、日本の映画ファンから根強い人気を誇る1本だが、特筆すべきは、名優・松田優作のハリウッド進出作品であり、遺作であるという点だろう。

 Netflixのオリジナルドラマ『Giri/Haji』(2020)やマイケル・マンのプロデュースで渡辺謙とアンセル・エルゴートが共演したドラマ『TOKYO VICE』(2022~)、さらにはやや誇張されてはいるものの、ブラッド・ピット、真田広之共演の映画『ブラッド・トレイン』(2022)など、“日本のヤクザ”が登場する海外作品は近年コンスタントに作られている。

 かつては「世界で一番撮影がしにくい」ことでお馴染みだった日本の都市部だが、状況は改善されつつある。Netflixの『シティーハンター』(2024)は大々的な歌舞伎町ロケで話題を集めた。その点、映画『ブラック・レイン』リメイク版は十分に可能であると考えられる。

 最大の問題は、やはり松田優作が演じた日本人ヤクザ・佐藤を誰が演じるか、だろう。

 ブルース・リーやジェームズ・ディーンの様に、存在自体が神格化されてしまった松田優作の後継者を誰が務めるのか。キャスティングは難航を極めるだろうが、配役が決定した暁には、大きな話題を呼ぶことは間違いない。逆に言うと、このキャスティングが首尾よくいけば、リメイク版は成功したも同然だ。

 あらゆるリスクを引き受けて、令和版『ブラック・レイン』を実現しようとする猛者が現れてはくれないものだろうか。

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