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なぜリメイクされない? 今、最も復活すべき海外映画(5)永遠の名作…作り直すために必要不可欠な要素とは?

2003年公開の『テキサス・チェーンソー』を皮切りに、ホラー映画界隈では、有名作品のリメイク&リブートが相次ぎ、新しい観客を獲得することに成功した。今回は、名作ぞろいの1980年代において、今、リメイク(リブート)したら、話題必至の作品を5本セレクト。作品の魅力を余すところなく紹介する。(文:村松健太郎)

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【著者プロフィール:村松健太郎】

脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。

宇宙からの来訪者を友好的に描いた画期的な一本

『E.T.』(1982)

『E.T.』劇中カット【Getty Images】
『E.T.』劇中カット【Getty Images】

上映時間:115分
原題:E.T. the Extra-Terrestrial
製作国:アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:メリッサ・マシスン
キャスト:ディー・ウォーレス、ヘンリー・トーマス、ピーター・コヨーテ、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモア、K・C・マーテル、ショーン・フライ

【作品内容】

スティーブン・スピルバーグ監督の永遠の名作。地球に取り残された宇宙生物と少年たちの交流を描く。公開されるや全米を中心に大ヒットを記録し、長年世界興行総収入の1位にランキングされ続けた。

【注目ポイント】

 1971年のテレビ映画『激突』(日本を含む海外では劇場公開された)で注目を浴びると、1975年の『ジョーズ』、1977年の『未知との遭遇』とビッグヒットを連発して、一気に売れっ子監督に昇りつめたスティーブン・スピルバーグが1982年に撮り上げたのが『E.T.』だ。

 興行的な成功に止まらず賞レースに絡むなどスピルバーグ監督の名声を一段上に押し上げた作品でもある(第55回アカデミー賞では、作品賞や監督賞にノミネートされた)。物語にはスピルバーグの幼少期の思い出が色濃く反映されるなど、自伝的な要素も強い作品となっている。

 以上の点を踏まえると、リブート&リメイクを実現する際は、やはり何らかの形でスピルバーグが関わることが必須条件である。彼の映画会社“アンブリン”のロゴから始まらない『E.T.』など考えられない。それは映画ファンの総意だろう。

 ただしスピルバーグは、『ジュラシック・パーク』(1993)を『ジュラシック・ワールド』(2015)として再始動させた際には、新鋭監督にメガホンを託している。『E.T.』リメイク版が作られる場合、あっと驚く新人が監督に抜擢されるかもしれない。

 ユニバーサルスタジオでは、“E.T.の故郷グリーンプラネットを救うため、冒険に出発する”という内容のアトラクションが人気を博した。そのことからわかるとおり、『E.T.』の世界観には拡張性がある。

 宇宙からの来訪者を友好的に描いた作品は近年減っており、その点、今作り直される意義のある作品だと言えるだろう。

(文:村松健太郎)

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