ラストの余韻がスゴい洋画、最高傑作は? 映画史に残る結末(4)ヒロイン死亡も…後に大逆転! 息を呑む衝撃作
映画作品は大抵、ハッピーエンドとバッドエンドに大別できる。上映後に爽快な気分になるものもあれば、暗い気持ちになるものもある。しかし、中にはどちらとも言えない作品も存在する。今回は、絶望と希望が合わさった不思議な結末を迎える映画を5本をセレクト。観終わった人の心に、大きな余韻をもたらす作品を5本紹介する。(文・編集部)
ーーーーーーーーーーーー
主人公が「死」を代償にして手にする苦い勝利
『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)
製作国:アメリカ
上映時間:113分
監督:エメラルド・フェネル
脚本:エメラルド・フェネル
出演者:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン
【作品内容】
かつて、優秀な医大生だったキャシー(キャリー・マリガン)。彼女は友人のニーナ・フィッシャーに起きたある不幸な事件をきっかけに、医大を中退する。復讐を胸に誓う彼女は、毎夜、バーで泥酔したふりをして、近寄る男たちに罰を下す。
そんな彼女に、大学のクラスメイトであり小児科医となったライアン(ボー・バーナム)が現れる。次第に、ニーナの不幸な出来事をひもとく過去が、明らかになり…。
【注目ポイント】
監督を務めたエメラルド・フェネルはこの作品で、女性による男性の性暴力への告発という問題だけでなく、現場にいながら見て見ぬ振りをする人々にも厳しい目を向けている。もちろん、その中には女性も入っている。
物語の終盤。主役のキャシーは、心から信頼を寄せていた恋人ライアンが、過去のパーティーでニーナがとある男から性加害を受けていたことを知っていながら、見て見ぬふりをしていたことを知る。性加害を起こした犯人はアル・モンローという男だ。キャシーはライアンにモンローの居場所を聞き出し、復讐を誓う。
しかし、その復讐劇は、モンローのさらなる暴力により頓挫する。返り討ちにあったキャシーは命を落としてしまうのだ。映画はひとまず、キャシーの「死」という形で、観客を絶望の淵に突き落とす。映画はこのままバッドエンドを迎えることになるのか。答えは、ノーだ。
キャシーは自身が無事では済まないことを想定して、あらかじめ警察と弁護士に自分の居場所を伝えていた。それにより、彼女の復習劇は成功するのだ。結果、キャシーの魂は、ニーナの魂とともに天国で報われることになる。残されたライアンへ送った、愛の言葉とともに。
(文・シモ)
【関連記事】
ラストの余韻がスゴい洋画、最高傑作は? 映画史に残る結末(1)
ラストの余韻がスゴい洋画、最高傑作は? 映画史に残る結末(5)
ラストの余韻がスゴい洋画、最高傑作は? 映画史に残る結末(全作品紹介)