「似すぎてやばい!」ミュージシャンの伝記映画ランキング第7位。”生ける伝説”が6人に!? 美しい映像が織りなすオムニバス
“誰にも媚びず、自分を貫く”。ロックミュージシャンたちの生き方は、退屈な日常から抜け出すためのヒントを与えてくれる。命を燃やすようにして絞り出された歌声は人々の心を震わせ、前向きな気持ちに駆り立ててくれる。これまで数多く制作されてきたロックミュージシャンの伝記映画の中から、【物語の奥深さ】、音楽がもたらす【高揚感】、モデルとなった人物や時代背景の【再現度】に着目して10本の作品をチョイス。波乱万丈の人生模様と迫力満点の音楽に酔いしれる、“一粒で二度おいしい”音楽映画を厳選してご紹介する。
7位:アイム・ノット・ゼア(2007)
製作国:アメリカ
原題:I’m Not There
監督:トッド・ヘインズ
脚本:トッド・ヘインズ、オーレン・ムーヴァーマン
出演:クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、マーカス・
カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、
ベン・ウィショー
【物語の奥深さ】★★★★
【高揚感】★★
【再現度】★
世界中にファンを持つ、不滅のミュージシャン・ボブ・ディランの半生を描いた作品。6人の役者がディランを演じる実験的な構成、モノクロとカラーを織り交ぜた美しい映像が特徴的である。監督は『ベルベット・ゴールドマイン』(1998)で1970年代のロンドンの音楽シーンを描いたトッド・ヘインズ。
1962年にレコードデビューして以来、半世紀以上にわたり多くの人に影響を与え続けている、音楽界の生きる伝説。代表曲は「風に吹かれて」、「時代は変る」、「ライク・ア・ローリング・ストーン」など。独創性豊かな歌詞は文学作品として高く評価され、2016年には歌手としては史上初めてノーベル文学賞を受賞した。
激動と呼ぶにふさわしいボブ・ディランの人生をモチーフに、詩人、フォークシンガー、牧師など、様々なフィールドで生きるディランの姿が、オムニバス形式で描かれる。伝記映画というよりかは、ディランの楽曲や生きざまにインスパイアを受けたオリジナルドラマに近い作り。
タイトルはディランが1967年に行った、『ベースメント・テープス(地下室)』セッションでレコーディングされた曲の名前。サウンドトラックでは、ソニック・ユースやヨ・ラ・テンゴなど、アメリカのインディー・ロックを代表するアーティストがディランの曲をカバ―。
とりたてて高揚感があるわけではなく、物語の難解度も高い。ディランの楽曲やキャリアについて予備知識があればあるほど楽しめる、玄人向けの作品だと言えるだろう。
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