「似すぎてやばい!」ミュージシャンの伝記映画ランキング第2位。「素晴らしい筋立て」名優が名歌手を演じる最高の名作!
“誰にも媚びず、自分を貫く”。ロックミュージシャンたちの生き方は、退屈な日常から抜け出すためのヒントを与えてくれる。命を燃やすようにして絞り出された歌声は人々の心を震わせ、前向きな気持ちに駆り立ててくれる。これまで数多く制作されてきたロックミュージシャンの伝記映画の中から、【物語の奥深さ】、音楽がもたらす【高揚感】、モデルとなった人物や時代背景の【再現度】に着目して10本の作品をチョイス。波乱万丈の人生模様と迫力満点の音楽に酔いしれる、“一粒で二度おいしい”音楽映画を厳選してご紹介する。
2位:ウォーク・ザ・ライン 君につづく道(2005)
製作国:アメリカ
原題:Walk the Line
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド、ギル・デニス
出演:ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン、ジニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック
【物語の奥深さ】★★★★★
【音楽の高揚感】★★★
【再現度】★★★★
エルヴィス・プレスリーと並び称される、伝説的ミュージシャン、ジョニー・キャッシュの波乱万丈な人生を描いたハートフルドラマ。
貧困家庭に生まれたジョニー・キャッシュ(ホアキン・フェニックス)は、9歳の時に兄のジャックを不慮の事故で亡くした。大人になったジョニーはアメリカ空軍に入隊し、赴任先で出会った恋人のヴィヴィアンと結婚。
その後、軍隊を辞め、セールスマンに転身すると、友人たちとバンドを組み、成功の足掛かりを作る。ツアーでアメリカ中をまわるジョニーは、訪れた先で運命の女性・ジューン(リース・ウィザースプーン)と出会い、心を奪われてしまう…。
ジョニー・キャッシュは、カントリーミュージックのカリスマとして知られ、1950年代から90年代まで、長きにわたって活躍。重厚感のあるバリトンヴォイス、ロックやロカビリーなど幅広いジャンルを横断する音楽性は唯一無二の魅力を放っている。U2のボノやカート・コバーン、ボブ・ディランといったビッグ・アーティストがリスペクトを表明する、ミュージシャンズ・ミュージシャンである。
ジョニー・キャッシュに扮するのは、名優・ホアキン・フェニックス。ホアキン自身も若い頃に兄のリバー・フェニックスを亡くしており、似たような境遇をもつ伝説のミュージシャンを貫禄たっぷりに演じている。
ミュージシャンの伝記映画につきものの、ドラッグ中毒をめぐる描写は過酷そのもの。恋人であるジューンや家族との関係、ミュージシャンとしての栄光と挫折など、奥行きのある筋立てが素晴らしい。スロービートなジョニー・キャッシュの名曲たちは、重厚感のあるドラマを静かに盛り立てる。
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