史上最高の考察系ドラマは? 沼にハマった究極の名作(4)続編を望む声が殺到…刑事モノの歴史を塗り替えた傑作
近年、SNS普及の影響もあり、ドラマ作品の“考察ブーム”が囁かれる。考察要素を持つドラマ作品は、その世界観に視聴者を引き込み、時として、世間を席巻するほどの反響を得ることもある。今回は、考察要素の高い民放ドラマ作品を5本セレクト。一気見したくなるに違いない名作を厳選してその魅力をご紹介する。(文・寺島武志)
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本当にアンフェアなのは誰か?
警察内部にまで潜む闇を暴く
『アンフェア』
放送期間:2006年1月10日~3月21日
放送時間:火曜22:00~22:54
放送局:フジテレビ系
原作:秦建日子
脚本:佐藤嗣麻子
最高視聴率:16.5%
キャスト:篠原涼子、永山瑛太、阿部サダヲ、濱田マリ、加藤雅也、井上順、木村多江、寺島進、香川照之、西島秀俊、志賀廣太郎
【作品内容】
検挙率No.1で、警視庁きっての美人刑事・雪平夏見(篠原涼子)。しかし夏見はとにかく破天荒な性格で、かつて未成年者を射殺し、ズケズケと本音を語ったことからマスコミから叩かれ、市民団体からは抗議を受けた。そのせいで、娘はイジメに遭い、失語症となってしまう。
そんな夏見のもとにお目付け役として安藤一之(永山瑛太)が相棒として赴任し、バディを組むことに。ほどなくして起きた殺人事件。現場には「アンフェアなのは誰か?」と書かれた栞が残されていた…。
原作は秦建日子の小説『推理小説』だが、連続ドラマの第4話まで原作に沿って描かれており、第5話以降の物語はオリジナルストーリーとなっている。
【注目ポイント】
主人公の雪平夏見が刑事だった父親の死の真相を追いつつ、数々の難事件に立ち向かう姿を描いている。
「アンフェアなのは誰か」という謎のメッセージを残し続ける「推理小説型予告殺人事件」、全国民から1人10円ずつの募金を迫り、総額12億円を集めるように指示する「募金型誘拐事件」、この2つの事件の関係者が、手のひらに「×」マークを付けられた上で次々と殺害される「×マーク連続殺人事件」が本作で描かれる主な事件だ。この3つの事件が線で繋がっていることから、視聴者は次の展開を考察するという楽しみ方ができるストーリー構成となっている。
刑事ドラマとしての脚本の完成度もさることながら、“ハマリ役”と出合った篠原涼子の代表作となった作品でもある。父を殺した人物とは誰なのかというこのドラマの軸の部分では、警察内部や検察・司法の暗部に光を当てる挑戦的なストーリーも話題となった。
放送後の反響は凄まじく、続編を望む声が殺到。その結果、劇場版3作、スピンオフを含むスペシャルドラマ4作が製作されることとなった。
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