史上最もぶっ飛んだ結末の邦画は? 観客おいてけぼりの迷作(2)奇想天外…邦画史に残るメチャクチャなラスト
映画を観ていて、先の展開やオチが読めてしまう作品はないだろうか? それはそれで内容が面白ければ、特に不満はないのだが、展開が予測不能の映画には、やはり心踊らされることもまた事実。今回は、そんな良くも悪くも「そう来るか!?」と驚かせてくれる作品を5本ピックアップした。今回は第2回。
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「そんなオチ、予想できるか!」
Vシネマの雄2人によるヒーローバトル!?
『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(1999)
上映時間:105分
製作国:日本
監督:三池崇史
脚本:龍一朗
キャスト:哀川翔、竹内力、石橋蓮司、小沢仁志(OZAWA)、鶴見辰吾、杉田かおる、ダンカン、本田博太郎、寺島進、大杉漣
【作品内容】
歌舞伎町で一般人をも巻き込む中国マフィアとヤクザの抗争が発生。そして現金輸送車が謎の組織に襲撃されるという事件も発生する。二つの事件に何か共通するものを感じた刑事、城島(哀川翔)は、捜査を始める。やがて捜査線上に一人の男が浮かび上がってきた。中国残留孤児3世の龍(竹内力)である。
ある日、城島の部下、井上が龍のグループと銃撃戦の末、龍の弟を射殺した末、自らも殉職。復讐心に燃える龍は城島の妻と娘を殺害してしまう。家族を失った城島もまた、復讐に奔走する。
【注目ポイント】
メガホンを取ったのは三池崇史。そして、哀川翔、竹内力という当時、小沢仁志、白竜と並び、Vシネマ四天王と呼ばれた2人がダブル主演という、Vシネファンからしてみたら夢のような座組のバイオレンス・アクションである。
城島は警察を辞職し、龍たちの元へ向かい、これでもかという死闘が繰り広げられる。2人の因縁を根幹としたストーリー構成、アクションシーン共に綿密に練られており、Vシネファン以外でも楽しめる作品に仕上がっている。また、Vシネマ四天王の一人である小沢仁志も、サブキャラとして出演しており、そのキャスティングにも、思わずニヤリとさせられる。
そのいかにもVシネマ感を漂わせつつも、全体的な映像やカット割りは、やはり三池監督ならではのケレン味の効いた演出が駆使されており、こちらも見事である。さて、ここまで聞いたかぎりでは、「普通」に良質なバイオレンス映画をイメージするのではないだろうか。
しかし、ラストシーンでは、視聴者にとって不測の事態が巻き起こる。拳銃での打ち合いの末、双方、倒れた城島と龍。相打ちか? と思われたその時、2人とも立ち上がり、城島がなぜか背中から装備できるはずもないバズーカ砲を取り出す。
そして、龍は手の平からドラゴンボールで言うところの“気”の固まりのようなパワーボールを生み出し、お互い、それらを打ち合い、決着が着かないままエンディングを迎えるのだ。いやはや、いくらなんでも無茶苦茶すぎて、呆然自失とはこのことである。
おそらく、三池監督の思いつきに、哀川翔、竹内力の両雄がノリで快諾したのではないかと想像されるこの奇想天外なラスト。どう受け入れるかは、ご覧になる皆さま次第だ。
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