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世にも恐ろしい…実在する未解決事件をモデルにした邦画(5)犯人未だ不明…子供が次々と犠牲になった怪事件は?

text by 編集部

「未解決事件」。人を惹きつける言葉だ。一口に未解決と言っても、犯人が特定されていながらも不透明な部分を残すものや、犯人逮捕の糸口さえも掴めていないものまで、多種多様であり、その謎めいた性質からフィクションの題材になることも多い。今回は実在する「未解決事件」をテーマにした映画を5本紹介する。(文・編集部)

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昭和最後の迷宮入り事件「北関東連続幼女誘拐殺人事件」がモデル

『64-ロクヨン-』(2016)

佐藤浩市
佐藤浩市Getty Images

上映時間:121分(前編)119分(後編)
監督:瀬々敬久
脚本:久松真一、瀬々敬久
出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、烏丸せつこ、小澤征悦、金井勇太、芳根京子、菅原大吉、柄本佑、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、永山瑛太、永瀬正敏、三浦友和

【作品内容】

 昭和から平成に変わる端境期に、たった7日間だけあった昭和64年。昭和最後の年に起きた未解決誘拐事件(通称ロクヨン)が、平成の世になってにわかに動き出す。

 事件当時、捜査にも加わっていた広報官の三上(佐藤浩市)は時効目前となったロクヨンを改めて追うことになるのだが…。

【事件・作品概要】

 本作は、『クライマーズ・ハイ』(2008)『半落ち』(2004)など、著作の多くが映像化されているベストセラー作家・横山秀夫の人気シリーズ“D県警シリーズ”初の長編映画だ。本作の原作となった同名小説は、NHKで連続テレビドラマ化もされている。

 横山秀夫はもともと群馬の地方紙・上毛新聞の記者をしていた経験があり、在職中に体験したことを作品に反映させる作風で知られている。ちなみに、『クライマーズ・ハイ』では“日航機墜落事故”をとり上げている。事故当時記者であった横山は、2カ月近く、ほぼ毎日のように現場となった御巣鷹山に登ったという。作品が緻密な内容となっているのは、事件を自身の足で調査した経験がバックボーンにあるからだろう。

 そんな横山が原作を手がけた本作『64-ロクヨン-』は、1987年に実際に起きた「萩原功明ちゃん誘拐殺人事件」と、この事件との関連が強いとされている通称「北関東連続幼女誘拐殺人事件」が基になっている

「北関東連続幼女誘拐殺人事件」は1979年以降、断続的に起きた誘拐殺人事件で、共通点が多く同一犯の仕業ではないかと疑われている。また、4件の事件以外にも関連性が疑われているものが他にもあり、1996年に起きた、太田市パチンコ店女児失踪事件もその1つ。こちらの事件に関しては、現在も捜査中であり、被疑者検挙につながる情報を提供した者に600万円の懸賞金が付与される、捜査特別報奨金制度の対象になっている。

 原作は数多くの登場人物が入り乱れ、情報量が多い。それに対応するため前後編の2部作となっている映画版では、時効が迫る事件の14年後を舞台に、犯人を取り逃がしたことを一生の悔いとしている警察官・三上が、新たに生じた誘拐事件に立ち向かう過程をリアルなタッチで描いている。

 骨太のサスペンス映画として一見の価値ありだ。

(文:編集部)

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