夏ドラマで最も輝いた次世代俳優は? ブレイクを果たした男(3)悲劇の死に視聴者唖然…怖い演技で魅せたのは?
text by あまのさき
今期の夏ドラマも良作が目白押しだった。恋愛ドラマや医療ドラマなど、さまざまな作品が私たちを楽しませてくれた。とはいえ、内容もさることながら、やはり気になるのは出演する俳優だ。主役級のスターも良いが、隠れた未来のスターに目を向けてみるのも一興。今回は、2024年の夏ドラマで印象に残った、ネクストブレイク俳優を5人ご紹介する。(文・あまのさき)
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杢代和人『降り積もれ孤独な死よ』
13人の子どもたちの白骨死体が見つかった「灰川邸事件」にまつわる出来事を描いたドラマ『降り積もれ孤独な死よ』(読売テレビ・日本テレビ系)。杢代和人はかつて灰川邸に暮らしており、事件の生き残りとされながらも行方不明となっている神代健流を演じた。
母親・陽子(長谷川京子)の再婚相手から暴力を受けていた健流は、虐待やネグレクトなどで家にいられなくなった子どもたちを我が子のように面倒を見る灰川十三(小日向文世)の家で暮らしていた。
一度は家族のもとへ戻るも、異父弟の首を絞めていたところを陽子に見つかり、再び家を追い出されてしまう。居場所をなくして自暴自棄になった健流の虚ろで壊れそうな空気をまとった杢代の演技は、怖さすら感じさせるものがあった。
再び灰川邸に舞い戻ってきた健流は、そこで暮らしていた花音(吉川愛)を襲うが、花音を救おうとしたマヤ(仲万美)に刺されて命を落としてしまう。
いまかいまかと現代軸での登場が待たれていた杢代演じる健流は、結局13年前に亡くなっていた。彼の人生はなんだったのか、と思わずにはいられない。
ヒリヒリと擦り切れるような痛みを伴い続けた少年の人生を生きた。登場シーンはそこまで多くないながらも、物語の根幹に関わる非常に重要な役どころを演じ切った。
(文・あまのさき)
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