観客おいてけぼり…大どんでん返しの映画(5)途中で主役が交代!? 13歳の少女が最高に可愛い珠玉の活劇
映画を観ていて、先の展開やオチが読めてしまう作品はないだろうか? それはそれで内容が面白ければ、特に不満はないのだが、展開が予測不能の映画には、やはり心踊らされることもまた事実。今回は、そんな良くも悪くも「そう来るか!?」と驚かせてくれる作品を5本ピックアップした。今回は第5回。
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主人公が途中で交代!? 前代未聞のルール破りな映画
『キック・アス』(2010)
上映時間:117分
製作国:イギリス、アメリカ
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:マシュー・ヴォーン、ジェーン・ゴールドマン
キャスト:アーロン・テイラー=ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、マーク・ストロング、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ、ギャレット・M・ブラウン、クラーク・デューク、エヴァン・ピーターズ、デボラ・トゥイス、リンジー・フォンセカ
【作品内容】
マーク・ミラーとジョン・ロミータ・Jrによる同名のコミック『キック・アス』を原作とした、スーパーヒーロー映画。デイヴ・リゼウスキ(アーロン・ジョンソン)は、アメリカン・コミックのスーパーヒーローに憧れている少年。
誰もヒーローになろうとしないことに疑問をもった彼は、自分で本物のヒーローになろうと思い立ち、ネットで買ったスーツを着てヒーロー活動を開始する。しかし、何のスーパーパワーも持っておらず訓練もしていない彼は、あっさり暴漢に刺された上、車にはねられ病院送りとなる…。
【注目ポイント】
めげずにヒーロー活動を続けるデイヴは、ある日、同じ学校一の美少女であるケイティが、麻薬の売人との関係に悩まされていることを知る。デイヴはキック・アスとしてその売人がいるアパートに乗り込むが、もちろん敵うわけがない。
しかしここから、予告編など事前情報を何も得ずにまっさらな状態で鑑賞した人々が、「何が起こっているの!?」と、呆気に取られる展開となる。ヒーローコスチュームを着た少女ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)が突然現われ、瞬く間に売人たちを抹殺してゆくのだ。
アメリカンロックにおける往年の名曲であるザ・ディッキーズ の『Tra La La Song』、「ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ」の『Bad Reputation』などをBGMに、こちらに考える余地を与える間もなく、戦闘を開始。
当のデイヴも「何これ?」というフレーズを繰り返す始末。ヒット・ガールは刃物を楽しそうに使いながら、麻薬の売人たちに対し「遊びたい?」と、実に痛快な闘いを繰り広げてゆく。その様はまるで無双状態。
そう、この映画、ヒット・ガールの登場により、主役が入れ替わるのだ。とにかく、ヒット・ガールを演じた当時まだ13歳のクロエ・グレース・モレッツの愛らしさ、カッコよさは天下一品。登場するなり、観る者を一撃で瞬殺し、唐突な展開に不思議な説得力を与えている。一風変わったアクション映画を観たい人にお勧めの一作だ。
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