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激似すぎる…アニメ・漫画のモデルになった伝説の俳優(5)昭和の名物キャラ…モデルになった男の数奇な人生とは?

text by 編集部

アニメやマンガには、しばしば実在する有名人をモデルとしたキャラクターが登場する。実際にいる人物をモデルとすることで、作者の趣味嗜好やリスペクトを表現できるのだ。今回は、そんな知られざるキャラクターを5人紹介。知ってから観るとさらに楽しめるエピソードから、物語に秘められた知られざる裏話まで、たっぷりと紹介する。第5回。(文・編集部)

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イヤミな性格はモデルの生き写し!?
戦後日本を駆け抜けたボードビリアン

『おそ松さん』のイヤミ(トニー谷)

トニー谷をモデルにしたイヤミ【『おそ松さん』公式Instagramより】
トニー谷をモデルにしたイヤミおそ松さん公式Instagramより

 赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』を原作としたアニメ『おそ松さん』には、一際強烈な個性を放つキャラクターが登場する。それがイヤミだ。

 出っ歯が特徴的な口から、定番ギャグ「シェー」を繰り出す彼は、名前通りどこまでもイヤミなキャラクターだ。作中では「おフランス帰り」を自称し、人助けにいちいちお金を要求するなど、かなり金にがめついキャラクターとして描かれている。

 原作者の赤塚は、タモリとの対談の中でイヤミのモデルにとある芸人の名前を挙げている。その人物とは、昭和のボードビリアン・トニー谷だ。

 オールバックの髪型に吊り上がったフォックス眼鏡がトレードマークのトニー谷は、そろばんをかき鳴らす「そろばん漫談」とルー大柴ばりに英単語を散りばめた「トニングリッシュ」で一躍スターダムにのしあがり、黎明期のテレビで活躍した。

 とはいえ、当時はまだ英語が「敵性語」として認識されていた時代。イヤミったらしく英語を駆使するトニーの芸への風当たりは強かった。そして、1955年には、長男の誘拐事件が発生。プライベートが徹底的に暴かれ、以降は精彩を欠くようになった。

 しかし、死後から数年後。実は彼が生前偽名を使っていたことや、愛情のない義父の虐待に苦しんでいたことが判明。幼い頃の歪んだ家庭環境が、彼の歪んだ芸を創り出していたことが明らかになる。

 赤塚不二夫が生み出したイヤミ。その存在には、繁栄の裏に秘匿された昭和日本の裏面史が凝縮されているのかもしれない。

(文・編集部)

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