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『相棒』史上最高の神回は? 冠城亘(反町隆史)編の名作(1)カオスな展開が凄い…初期に戻ったかのような傑作

text by Naoki

変人だが腕が立つ刑事の杉下右京と、その相棒が事件を解決していくドラマ『相棒』。シリーズは2000年から2024年現在まで、約400話のテレビシリーズを始め、様々なコンテンツで親しまれている。今回は4代目相棒・冠城亘(反町隆史)編の中でも伝説的なエピソードをセレクト。その面白さの真髄に迫る。(文・Naoki)

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4代目相棒 冠城亘(反町隆史)とは?

法務省官僚の人事交流として警視庁へ出向し、空き部屋であった特命係を部屋として利用。帰還した右京とは“同居人”として事件発生時に同行するようになる。その結果捜査にのめり込み法務省をクビになり、正式な警察官として特命係へ配属。現在は法務省時代の上司である日下部から打診を受け公安調査庁へ転職した。

シーズン14 警察嫌い(15話)

左から水谷豊、反町隆史
左から水谷豊、反町隆史【Getty Images】

 本作は“『相棒』初期のような“丁々発止のやり取り”が魅力である。

 マンションで女子大生が殺害される事件が発生。容疑者として3名を逮捕するが、刑事達の執拗な取り調べで全員が罪を認めるカオスな状況となる。そんな中、特命係は向かいのマンションに住む青木年男という公務員の男に行き着く。青木は殺害現場を目撃し、更に事件当時の映像を持っている。しかし、生粋の“警察嫌い”である青木は捜査協力を拒否。

 捜査一課は青木を別件逮捕して映像を確保しようとするが、右京の活躍を見たい冠城は裁判官に働きかけて令状を阻止。更に冠城は被害者家族であるヤクザを使い、青木を脅す始末。

 最終的に右京は、青木を罠に嵌めて真犯人を割り出す。また右京は、青木の“警察嫌い”の一端に父親が警察官である事実が影響しているのではないかと指摘し、青木を激昂させる。

「だから警察は嫌いだよ!!」

 警察の強引な取り調べ、別件逮捕の仕組みなど社会派要素をいくらでも膨らませられる中、本エピソードは、意地悪な民間人をいかに協力させるのかを描くことに終始している。

 青木を演じる浅利陽介の怪演もあり、捜査一課、冠城、右京と全員の掛け合いが面白い。また歴代相棒は警察官だが冠城は当時法務省官僚なので、面白半分で捜査妨害をするという言語道断な行動を行なっている。とはいえ本エピソードは、冠城が初登場した回なので、彼が今後どのような変化を遂げるのかという期待を高めるような側面を持っている。

(文・Naoki)

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