「胸糞悪すぎる…!」プロが選ぶサイコパスが登場する傑作映画(1)。実在の事件!? 狂人の異常行動が爆発
ホラー映画紹介Vtuver・ミミカ・モーフ氏に、配信で観られる映画作品の中から「本当に怖い映画」を厳選してご紹介いただく本企画。今回は、サイコパスホラー映画の中から5作品をチョイス。FBIを翻弄する高知能のシリアルキラー、殺意を爆発させる猟奇的殺人者…。悪魔的な人物に魅せられる、サイコパスホラーの傑作群をご紹介。
『アングスト/不安』(1983)
上映時間:87分
製作国:オーストリア
監督:ジェラルド・カーグル
脚本:ゲラルト・カーグル、ズビグニュー・リプチンスキー
キャスト:アーウィン・レダー、シルヴィア・ラベンレイサー、エディス・ロゼッタ、ルドルフ・ゲッツ
【作品内容】
青年・Kが突然訪れた見知らぬ家で、出てきた夫人を殺害する。殺人罪で逮捕されたKは数年の年月を経て、刑期を終え出所。外の世界に放たれた、獲物を求める狂人の異常な殺人衝動が爆発する。
1980年にオーストリアで起きた一家惨殺事件を基にした問題作。主人公の不安な心理や残虐な行動が、斬新なカメラワークや印象的な音楽と共に描かれる。1983年の公開当時は、ヨーロッパ各国で上映打切りや上映禁止が相次いだ。
ミミカ・モーフ 推薦コメント
こちらは少しマイナーな映画であるが、ぜひとも紹介したい。サイコパスや殺人鬼といえば、スマートな手口や高い知能といったイメージが根強い。しかし、今作の主人公である殺人鬼は非常に手際が悪い。
ほとんど行き当たりに見える行動は、当の本人が大真面目にやっている分、どこか滑稽である。加えて、本人の内面(芸術的な絶望を作り出そうと画策している)が、ナレーションで示されることで、本来やりたかったことが上手く噛み合わなかったり、歯痒く思っている様子がしっかりと伝わってくる。
一般的なホラー映画では、人は簡単に死ぬことが多いため、観る者は、殺害の手間や苦労について深く考えることなく、死という結果ばかりに目を向けがちだ。
しかし、この映画を観ることで人を殺すことの大変さを強く感じる。死体ひとつ運ぶのも大仕事である。今作は実際に起きた事件を元に制作されており、その点も本作の殺人描写のリアリティを強めることに寄与しているのかもしれない。
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