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「衝撃の”トンデモ展開”!」ヤバい村を舞台にした迷作映画(3)。狂気の日本映画…まさかのバトル映画に急変!?

text by ZAKKY

近年は、清水崇監督による「恐怖の村」シリーズが話題を集めている。閉鎖的な空間で偏った思想に憑りつかれる住民たち、ジメジメした人間関係、奇妙な風習…。ホラー映画と“村”は実に相性が良いのだ。今回はアジア、ヨーロッパの作品を中心に、“ヤバい村”を舞台にした映画を5本セレクト。後味の悪さが際立つ迷作ばかりを揃えた。今回は第3回。(文・ZAKKY)

●カルト民がはびこる村に潜入…。後半はアクション映画に!?

『黄龍の村』(2021)


出典:Amazon

監督・脚本:阪元裕吾
出演:水石亜飛夢、松本卓也、鈴木まゆ、秋乃ゆに

【作品紹介】
レンタカーでキャンプ場へ向かう優希ら8人の若者たち。その途中、山の中で車がパンクしてしまい、携帯電話の電波も繋がらず、助けを求めて歩き始める。トンネルを抜けてたどり着いたのは、包丁が頭に刺さった案山子がある奇妙な村・龍切村だった。馬に乗って現れた老人は車を直してくれると話し、優希たちを自宅へ招くのだが…

【注目ポイント】
呪いや祟りがテーマかと思いきや、ヤクザが絡む物語でもあり、カルト集団が生活する村が舞台。村に迷い込んだ者を殺し、人肉を神に祀るという、ある意味ベタな展開のもと、逃げる主人公たちと追う村民のチェイスが描かれる。生き残るのは誰か? といったバトルロワイヤル的な流れを想像するが、中盤からのとんでもない展開に驚愕。

一言で言えば、主要キャラが途中から入れ替わり、バトルものへとシフトチェンジするのだ。半分、コメディーと言っていい、何とも歯切れのよい娯楽映画である。

「いちいちしばき回してから殺すの、効率悪いっすよ~」「撃っちゃえ、撃っちゃえ!」というセリフが印象的だ。これは、アクション映画において、 “生死をかけた戦いのシーンでなぜ真面目に殴り合いをするのか?”という疑問を持つ映画ファンへの、見事な回答とも言える。

唯一、陰鬱なポイントを挙げるとすれば、敵味方問わず、あっという間に人が殺されてゆく様。そこには主人公側、村人側双方、まったく容赦がない。一周まわって痛快とも言えるのだが…。

ぜひ、エンドロールの映像も堪能してほしい。全体を1時間ほどで完結にまとめているところにも、監督の手腕を感じる。

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