プロが選ぶ「声が良い」男性アイドルNo.1は?(1)専門家が絶賛する美声…卓越した技術の持ち主とは?
男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする―。英国の作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言だ。この言葉の真偽は分からないが、“いい声”がアイドルにとって重要な資質であることは間違いないだろう。そこで今回は声の専門家に「最高のイケボを持つ男性アイドル」について伺った。※事前に編集部が選出した30名の中から5名選出していただきました。(取材・文:編集部)
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【日本美声チューニング協会 三浦人美会長 プロフィール】
発声解剖学をベースにした声を出しやすい身体に整える美声チューニング®を提唱。20代はバンドのボーカルとして芸能事務所へ所属。年間300本のライブをこなし歌い続けた経験の中で発声・姿勢・呼吸等、身体のアプローチから声を変えていく手法を実践。バンド活動の終了後は、講師として稼働をスタート。人前で声を扱うことが多い企業代表や芸能事務所所属のアーティストレッスンまで延べ3,000人以上の方を指導する。
新海誠が絶賛する自然体の声
松村北斗(SixTONES)
―――最初にご紹介頂くのは、SixTONESの松村北斗さんです。
「中島健人さんとかなり悩みました。お二人とも、日本の男性アイドルには珍しく、声が鼻にかかっておらず、中音域がとてもクリアなんですね。
ただ、松村さんの方が、役柄によって語尾の使い分けがお上手だったので、今回は松村さんを選ばせていただきました」
―――語尾の使い分け、ですか。
「はい。例えば、『分かりました』と言う時も、『分かりました!』とはっきり言い切る場合と、『分かりました…』と曖昧に濁す場合とで、印象がまるで違いますよね。
つまり、語尾のトーンをコントロールすることで、感情表現のバリエーションがより豊かになるんです」
―――なるほど!それはとても面白いですね。
「はい。これは日本語の優れた部分で、政治家さんの中には、語尾のコントロールを訓練されている方もいらっしゃいます」
―――ちなみに、松村さんといえば、新海誠監督のアニメーション映画『すずめの戸締まり』(2022)の宗像草太役が印象的です。
「私も拝見しましたが、前半と後半で宗像宗太の声質がかなり違うんですよね。主人公に合わせて、松村さんご自身の声も成長しているんですよ」
―――ということは、松村さんのキャスティングは、アフレコ期間での成長を見越しての起用だったかもしれませんね。
「そうかもしれないですね。松村さんは、SixTONESの中ではクールな印象があるので、この成長はかなり驚きました。おそらく、この作品が彼のフィルモグラフィのターニングポイントになったのではないかと思います」
―――ちなみに松村さんは、2024年7月期のドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)でシングルファーザーのシステムエンジニアという役を演じられていました。
「ぴったりですね。やはり松村さんは、医者や弁護士といった知的な役が似合うと思います。こういった役のほうが松村さんご自身の素のキャラクターに近いので楽なんですよね。
やはり、アイドルの場合、俳優さんとは違って、パブリックイメージを演じなければいけない場合があるんですよね。ただ、素の自分と違うキャラクターを演じていると、どうしても声に無理が出てきてしまうんですよ。
その点、松村さんは、自分に合ったキャラクターをうまく演じられているのかな、と思いました」
(取材・文:編集部)
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