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最も成功したジャンプ漫画の実写化は? ベスト映画(1)「カッコよくなければ役者を辞める」…覚悟の勝負作は?

text by 編集部

1969年の創刊以来、長年にわたって子どもたちに夢を与え続けてきた『週刊少年ジャンプ』。60年以上の歴史の中には、アニメ化や実写化がされた人気作品も多々ある。そこで今回は、同雑誌に連載された漫画を実写化した作品を5本紹介。驚異の再現度の秘密を徹底解説する。第1回。(文:編集部)

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耽美的な剣技に思わずうっとり…
斬新なアクションで魅了する佐藤健の最高傑作

『るろうに剣心』シリーズ(2011~2020)

佐藤健
佐藤健【Getty Images】

監督:大友啓史
原作:和月伸宏
脚本:大友啓史、藤井清美
キャスト:佐藤健、武井咲、吉川晃司、蒼井優、青木崇高、綾野剛、須藤元気、田中偉登、奥田瑛二、江口洋介、香川照之、伊勢谷友介、藤原竜也

【作品情報】

 幕末の動乱期。京都の街に、“人斬り抜刀斎”と恐れられた志士がいた。動乱が終わり、やがて明治が幕を開けると、この志士は姿を消してしまう。

 それから11年後。「神谷活心流の人斬り抜刀斎」の噂で持ちきりの東京に、とある流浪人が流れ着く。その人物こそ、伝説の“人斬り抜刀斎”こと緋村剣心(佐藤健)その人だった―。

【注目ポイント】

『仮面ライダー電王』(2007、テレビ朝日系)で主演を務め、アクション俳優として確固たる地位を築いた佐藤健。そんな彼の雄姿をあますところなく堪能できる作品が、以下の5作品からなる『るろうに剣心』シリーズだ。

第1作:『るろうに剣心』(2012)
第2作:『るろうに剣心 京都大火編』(2014)
第3作:『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014)
第4作:『るろうに剣心 最終章 The Final』(2021)
第5作:『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(2021)

 原作は、全28巻で累計発行部数6,000万部を記録した和月伸宏の「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」。監督は、映画『ハゲタカ』(2009)や大河ドラマ『龍馬伝』(2010)の大友啓史が務める。
 
 先にも言ったように、本作最大の魅力はなんといっても緋村剣心を演じた佐藤健の一世一代の熱演である。

 原作者の和月をはじめ、製作スタッフ全員が「後にも先にも緋村剣心を演じられるのは佐藤健しかいない」と確信した上で始動したこのシリーズ。「人斬り」としての自らの宿命と葛藤しながら、平和の時代を模索する剣心の演技はまさにはまり役で、狂おしいほどに美しい。

 そして、独創的なバトルシーンも忘れてはいけない。本作では、型を重んじる従来の時代劇アクションに、ワイヤーアクションを駆使したアクロバティックなアクションをプラス。体躯の小さい剣心ならではの華麗でスピーディーな剣技を見事に表現している。

 なお、佐藤は、大友が演出を務めた大河ドラマ『龍馬伝』で、類稀なる剣術の腕で「人斬り以蔵」と呼ばれた幕末の志士、岡田以蔵を演じている。そういった意味で、佐藤が剣心を演じるのは運命だったといえるかもしれない。

 また、主演の佐藤がはまり役だったのもさることながら、ヒロイン・神谷薫を演じた武井咲、徒手空拳の達人・相楽左之助を演じた青木崇高、元新選組3番隊組長にして一撃必殺の剣技・牙突の使い手である斎藤一を演じた江口洋介など、脇を固める俳優も一様に高いパフォーマンスを発揮している点も素晴らしい。

 とりわけ、『るろうに剣心 京都大火編』で初登場する、原作屈指の人気キャラクターとして名高い剣心の宿敵・志々雄真実を演じた藤原竜也のカラダを張った名演技は、シリーズの格とクオリティを何倍も引き上げたと言って過言ではない。

 佐藤自身、「かっこよくなければ役者を辞める」という強い決意で臨んだ本シリーズ。心してご覧いただきたい。

(文:編集部)

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【了】

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