1. 韓国ドラマを彷彿させる見応えのある復讐劇
本作はまず何より、骨太の復讐劇として見応えがある。
永野芽育扮する主人公・杏子が、自身を不幸に追いやった張本人に近づいていく様は、同じNetflix製作であり、韓国ドラマの快作『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』のようなゾクゾク感がある。
復讐モノといえば、近年では韓国ドラマの独壇場。上述の『ザ・グローリー』はもちろん、世界中で社会現象を巻き起こし、日本版リメイクもされた『梨泰院クラス』も復讐劇としての特徴を備えたドラマであった。本作の製作にあたり、スタッフ陣は復讐を描いた韓流ドラマの傑作群を意識したに違いない。
受けた仕打ちがひどく、相手にじわじわ近づく時間が長ければ長いほど、憎き相手がどん底に突き落とされた瞬間、誰もが快感を得られるだろう。
また、本作は全部で8話と、1日で観終わることも可能なボリュームだ。その中で13年前の事件の真相、杏子の復讐劇、それぞれの顛末がきれいにまとまっている点も素晴らしい。
昨今は、映像の迫力、題材の切実さ、脚本のクオリティなど、多くの点において韓国ドラマに水を開けられている日本製ドラマ。本作は、そんな現状を打開するために、韓国ドラマに叩きつけられた挑戦状という側面も持っているのだ。