杏とのコンビ関係に亀裂も
杏は当時の資料を集め、蔵前はドラマの現場へ。それぞれの役割をこなしていくも、なかなか突破口が見当たらない。
イライラした杏は、蔵前に「あなたの代わりはいくらでもいる」とNGワードを発してしまう。ドラマの現場で梨乃に会ったことも影響しているのだろう、突然の解雇を告げられた瞬間を思い出してしまった蔵前から表情が消える。「本気で言ってるなら怒りますよ」という言葉も虚しく、2人の仲に亀裂が入り、コンビ継続は困難な状態に。
杏は丸屋(酒匂芳)や岩渕(日向亘)とコンビを組み聖子の案件を、蔵前は辻井(村川絵梨)と別の案件を担当する。自身の仕事はきっちりこなしつつも、予想通り苦戦を強いられている杏のために、お気に入りのオレンジのグミと役立ちそうな情報を岩渕に握らせたり、「成金老人殺人事件」を題材にしたルポ小説を読み漁ったりする蔵前。杏の執務室の前で聞き耳を立てているところなんかは、まるで過保護な父親のようだった。
どうしても杏のことが気になって仕方ない蔵前、解決のためには蔵前の力が必要そうな杏。
丸屋は「蔵前さんは天野先生とケンカできるようになったってことですよ」と励まし、山崎(松尾諭)は「男の嫉妬は醜い」と憎まれ口をたたく。そして、しびれを切らしたかのように辻井は「ほかに気になることがあるようだから」と蔵前にクビを通告する。蔵前の気持ちを見透かしてそれぞれなりに働きかけてくれる、いい事務所だ。
進捗が悪くベンチに座っている杏。同じ場所に座っていたときに、蔵前がコーヒーを持ってやって来たことを思い出す。セリフはなかったが、自分には蔵前が必要なのだと気づく杏の心情の変化が手に取るようにわかる、なんとも愛おしいシーンだった。