「自分にしかできないエンタメがあると思っている」映画『遺書、公開。』主演・吉野北人、単独インタビュー

text by 加賀谷健

放送作家・鈴木おさむが脚本を手がけ、映画『東京リベンジャーズ』シリーズの英勉がメガホンをとったミステリー映画『遺書、公開。』。今回は、本作で主演を務めた、THE RAMPAGEのメンバーである吉野北人さんのインタビューをお届け。俳優業への思いをたっぷりと伺った。(取材・文:加賀谷健)

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【著者プロフィール:加賀谷健】

コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修
クラシック音楽を専門とする音楽プロダクションで、企画・プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメン研究」をテーマに、“イケメン・サーチャー”として、コラムを執筆。女子SPA!「私的イケメン俳優を求めて」連載、リアルサウンド等に寄稿の他、CMやイベント、映画のクラシック音楽監修、解説番組出演、映像制作、テレビドラマ脚本のプロットライターなど。2025年から、アジア映画の配給と宣伝プロデュースを手がけている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。

「なるべく抑えるという方向性で役作りしました」
綿密に考え抜かれた演技プラン

吉野北人 写真:wakaco
吉野北人 写真:wakaco

――吉野さん演じる主人公・池永柊夜は、冒頭から教室の隅に着席してクラスメイトたちの様子をうかがう基本姿勢です。加えて比較的台詞が少ないという役柄を演じる難しさはありましたか?

吉野北人(以下、吉野)「台詞がそこまで多くない役柄ですが、主人公として物語全体をしっかり背負っていかなければなりませんでした。そのためにはどうやって存在感を示していけばいいのか。迷いながら考えました。

他のクラスメイト役のキャラクター性がとても濃く、コントラストがはっきりしています。遺書を公開する場面では、感情を爆発させ、人間性の裏が全面に出ています。そんな中、自分はどちらかというと、やり過ぎない、出過ぎない。演技プランとして、なるべく抑えるという方向性で役作りしました。

教室の片隅から静かに見ているけれど、責任感はあるし、言うときは言う。一言の伝え方を意識しました。その表情を(カメラに)抜かれる場面が多いため、ここぞというタイミングで、池永のキャラクター性を見せられたらなと思っていました」

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