『プライベートバンカー』第5話考察&感想。唐沢寿明“庵野”がクビをかけて奔走…注目は華麗な突破劇と“古畑任三郎”っぽさ?【ネタバレ】

text by 西本沙織

木曜ドラマ『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)が現在放送中。本作は、唐沢寿明演じる《悪魔的》凄腕プライベートバンカーが、大富豪の資産を守るためなら“何でもやる”痛快マネーサスペンス。今回は、第5話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:西本沙織】

1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。

投資の格言が人々にもたらす効果とは?

『プライベートバンカー』第5話 ©テレビ朝日
『プライベートバンカー』第5話 ©テレビ朝日

「戦わざる者は勝たず 損せぬ人に儲けなし」戦わずして勝利は得られない、損を恐れる人は儲けも少ないという投資の格言。

 損失はネガティブな印象を持ってしまいがちだが、長期的に見れば“投資”というポジティブな意味にも捉えることができる。『プライベートバンカー』における投資の格言は、忠告ではなく、人々の背中を押すための言葉なのだ、と。第5話にして、そう思えてきた。

 今回、天宮寺家で勃発したのは横領問題。美琴(夏木マリ)の右腕・伊勢崎大和(吹越満)が役員を務める「天宮寺アート」で、1億円がごっそり消えていたのだ。プライベートバンカー・庵野甲一(唐沢寿明)は、またもやクビをかけて原因究明に奔走することに。

 正直、一番怪しいのは伊勢崎だが、転売など横領がしやすい仕入れ業務にはノータッチ。加えて、暮らしぶりもかなり質素で、とてもお金を持っているようには見えない。横領しているのなら、少なからず身なりが派手になったり、羽振りがよくなったりしそうなものだが…。

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