日曜劇場『御上先生』考察。優秀な生徒たちに置いて行かれる感覚も…後半戦で大事なこととは? 第5話感想レビュー【ネタバレ】
text by まっつ
松坂桃李主演の日曜劇場『御上先生』(TBS系)が現在放送中。本作は、東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育を変えるため、令和の時代を生きる高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく物語だ。本日は第5話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
社会的に大きな価値がある作品でありつつも…。
気になる点とは?
『御上先生』第5話で描かれたのは高校生ビジネスプロジェクトコンクール。高校でも金融が必修となった背景から、3年2組はテーマに投資を選び、金融業界に一石を投じていく。
冬木(山下幸輝)や宮澤(豊田裕大)らがクラスメートの力を借りながら、新しいビジネスプランを提案。金融の本質とは何かを高校生が自分たちで考え、最終的にビジコンで優勝するのが第5話のハイライトとなっている。
ドラマ自体は「大逆転教育再生ストーリー」と謳っている通り、確かに学びが多い。第5話でも、投資銀行に勤めていた父を持つ冬木がアメリカの“リーマンショック”を語り、どのように世界が不況に陥っていったのかを丁寧に説明する。
これによって、2008年の世界金融危機を正しく理解できた人もいただろう。ただ、『御上先生』が社会的に大きな価値がある作品となっているのは前提としつつ、かなり教育的な話に偏っているのは少し気になる。