朝ドラで“主役を食った”女優は? スゴい演技で魅せた宝石(2)上手すぎてため息…視聴者絶賛の至高の演技は?
text by 阿部早苗
1961年にスタートしたNHK連続テレビ小説、通称“朝ドラ”。月曜日から金曜日まで毎朝8時から放送され、通勤や通学前など、生活の一部となっている人もいるだろう。今回は、そんな朝ドラの中から、主役を食うほどの演技で存在感を放った女優5選をお届けする。第2回。(文・阿部早苗)
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黒柳徹子も太鼓判を押す演技力の持ち主
満島ひかり『おひさま』(2011)
2011年に放送された連続テレビ小説『おひさま』(NHK総合、4月~10月)は、井上真央がオーディションなしでヒロインに抜擢され、岡田惠和が2001年の『ちゅらさん』以来、10年ぶりに朝ドラの脚本を手がけた。
昭和初期から戦後の長野県安曇野と松本に、戦前、戦中、戦後といった激動の時代を懸命に生きた主人公・須藤陽子(井上真央)の半生を描いた物語。そんな陽子が高等女学校のクラスメイトとして出会い、親友関係となるのが相馬真知子(マイコ)と筒井育子(満島ひかり)だ。
なかでも満島演じる育子は見栄っ張りで自由奔放な性格の持ち主。戦時中という抑圧の強い時代にあっても生命力の強さが際立つ、見せ場の多いキャラクターであった。
一方で、主人公・陽子の明るさとは対照的に、影のある一面を持つという複雑な内面を抱えたキャラクターでもあった。満島は、戦争による厳しい現実に直面しながらも芯の強さと優しさを持ち続けるキャラクターを熱演し、作品全体の魅力を引き立てていた。
最終回では満島が演じた育子の晩年を黒柳徹子が演じるという仕掛けが話題を集めた。それから5年後、ドラマ『トットてれび』(NHK総合、2016)で黒柳徹子の半生を演じた満島。その演技力は、出世作である映画『愛のむきだし』(2009)から間もない2011年時点で大御所も太鼓判を押すほどの高みに達していた。
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