カズオ・イシグロ×ギレルモ・デル・トロのタッグが実現! 名作小説『忘れられた巨人』のアニメーション映画化が決定
ギレルモ・デル・トロ監督は、先日イギリスのテレグラフ紙のインタビューに応じ、新作の構想について明かした。ノーベル賞受賞作家であるカズオ・イシグロ『忘れられた巨人』の世界を、手作りのアニメーションで表現する予定だという。早速、現地のメディアを参考にその詳細に迫る。
ギレルモ・デル・トロ監督、ノーベル賞作家カズオ・イシグロ作品の映画化に着手
テレグラフ紙のインタビューで、デル・トロ監督は以下のように語った。
「次に作るストップモーション映画は、作家カズオ・イシグロの『埋められた巨人』の映画化で、現在作家兼プロデューサーのデニス・ケリーと共同で脚本を書いており、2ヶ月後にデザインのプロセスを開始します」、「まずは実写の長編を撮影するんだ。全てが上手くいけば2年後くらいに製作を開始する予定です」
米colliderによれば、映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』は映画監督にとっての大事業であり、日の目を見るのは何年も先の話になる可能性があるようだ。
『忘れられた巨人』は、2015年に公開されるや否や、瞬く間に名作となった小説。この作品は、トラウマになるような出来事の記憶と、集合的な記憶の力について考察する、強烈でサスペンスフルな作品として注目されている。
その内容はデル・トロ監督の好みにぴったりのようだが、彼は『忘れられた巨人』を確実に映画化するために、デニス・ケリーという強力な脚本パートナーを加えた。
ケリーは、1988年にロアルド・ダールの古典的児童文学『マチルダ』を、人気の高い舞台『マチルダ・ザ・ミュージカル』に脚色したことで知られており、アリーシャ・ウィアーとエマ・トンプソンが主演したこのミュージカルの映画版では、英国アカデミー賞にノミネート。
また、テレビでも有能な作家であることを証明し、2007年にシットコム『Pulling(原題)』で再び英国アカデミー賞(BAFTA)にノミネートされ、2021年にはテレビ映画『Together(原題)』でついに受賞を果たした、実力のある脚本家だ。
デル・トロ監督の『忘れられた巨人』がスクリーンに登場するのはまだ先のことだが、この作品は次のアカデミー賞で活躍が期待されており、長編アニメーション賞を狙うことになる。
長編アニメーション賞の現在の候補作品としてA24の『Marcel the Shell With Shoes On(原題)』(2021年)、ピクサ・アニメーション・スタジオの『私ときどきレッサーパンダ』(2022年)、ドリームワーク・ピクチャーズの『長ぐつをはいたネコと9つの命』(2022年)などがそして、Netflixの『ジェイコブと海の怪物』などが入ると予測されている。
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