最高の野球漫画実写化は…? 名作野球コミック原作の映画(2)。これぞスポコン! 史上屈指の名作野球漫画とは?
『巨人の星』、『MAJOR』、『ベー革』…。昭和、平成、令和と幾世代にも渡って描き継がれ、コミックファンの心を掴んでいる野球漫画の名作たち。今回は、そんな名作コミックの実写映画化作品を5本セレクト。原作の世界観を巧みに再現した佳作から、ツッコミどころ盛り沢山の迷作まで、玉石混淆のラインナップをご紹介する。今回は第2回。
●「月刊少年ジャンプ」大人気コミック原作。逆境でも諦めないスポコンストーリー
『キャプテン』(2007)
監督:室賀厚
原作:ちばあきお
脚本:室賀厚
出演:布施紀行、小川拓哉、中西健、岩田さゆり、小林麻央、菅田俊
【作品内容】
主人公・谷口タカオ(布施紀行)は、野球部の名門・青葉学院から弱小の墨谷二中に転校したばかり。野球部に入部すると、経歴を買われて半ば強引にキャプテンを任される。しかし、タカオが青葉の野球部に在籍していた期間は、たったの3か月。しかも、球拾い専門の補欠部員だった…。
【注目ポイント】
1972年に「月刊少年ジャンプ」で連載されるや一大ブームを巻き起こした、ちばあきおの同名傑作コミックを実写映画化。中学野球部の少年たちの成長を、原作の大ファンを公言する『GUN CRAZY』シリーズの室賀厚監督がテンポよく描く。野球ができることを条件に選ばれた少年たちが、 “墨谷二中ナイン”にふんするほか、筧利夫、小林麻央ら多彩な面々が脇を固める。逆境でもあきらめずに努力する少年たちの姿が、さわやかな感動を呼び起こす。
「キャプテン」は中学野球を舞台にした名作だ。昭和の雰囲気も巧みに再現されており、原作になるべく近づけようとする努力が感じられる。勝利至上主義の弊害も描かれており、現代のスポーツ映画としても興味深い仕上がりとなっている。
原作では弱小の墨谷二中が全国屈指の強豪国にまで成長を遂げる過程が丁寧に描かれるが、実写版では成り上がりそのものは描かれない。そのため、物足りなさは否めないが、原作未読の方はその入門編として観てみるのもいいだろう。
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