「漫画家目線でエヴァを考察!」漫画家・丘上あいが選ぶ”心の映画”(4)。「だって、シンジって絶対アスカでオ…」
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、漫画家の丘上あいさん。2017年より講談社と『まんが王国』との共同プロジェクトとして連載された『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~』はテレビドラマ化を果たすなど話題に。そんな数々のヒット作を生み出してきた一児の母でもある彼女に、その半生における様々なポイントで心を焦がされた映画を5本紹介してもらった。今回は第4回。(文・ZAKKY)
●庵野秀明による国民的アニメ映画への愛を語る
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021)
上映時間:155分
製作国:日本
監督:庵野秀明(総監督)
脚本:庵野秀明
キャスト:緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾
―――さて、またまたジャンルは一転。国民的人気アニメ映画の登場です。
「エヴァに関しては、今さら、そもそも語るようなもんじゃないとも思うのですが…やはり外せないかなと。10年前だったでしょうか、個人的にエヴァシリーズ全体を考察したことがあるのですが、2日かけても答えが出なかったんです(笑)。てゆーか、答えがあるとしたら、ただの親子喧嘩に何年かかっているんだという話で(笑)。本作は映画としても好きなのですが、ようやく親子喧嘩が終わってよかった! というのが率直な感想ですね」
―――過去作を未見の人でも、この映画は面白いと評判でしたね。
「ほんと、そうだと思います。この作品だけ観ても、シリーズを通して何を描きたかったのかが、大体わかるんじゃないでしょうか(笑)。ずっと見続けてきた人も、そうじゃない人もエヴァから卒業できる傑作です」
―――わかりやすい解説ですね(笑)。
「主人公・碇シンジの父親である碇ゲンドウが、息子を褒めて、謝りますよね。シンジは呪縛から解けてよかったなと(笑)。あと、また、母性的な話で言うと、シンジは綾波レイにずっと母親(碇ユイ)を重ねて見ていたと思うんですよね」
―――ほほう。
「一方、式波・アスカ・ラングレーに対しては、女性として意識していたんだと思うんです。だって、シンジって、絶対アスカでオ〇ニーしていただろうなって思いません?(笑)」
―――ちょっと、ちょっと! また泣ける話になるかと思ったのに(焦)!
「あ~、すみません! それはさておき、漫画家目線で言うと、エヴァは少年漫画っぽく見せて、実は少女漫画の手法が散見できるんですよ。モノローグや心理描写の多さとか。なので、エヴァをきっかけに男性が少女漫画を読むようになったという側面は確かだと思うので、感謝しています」
―――興味深いです!(よかった~、軌道修正できて)
「というわけで、色んな角度からお勧めの一本の映画です!」
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