史上最低のパクリ映画は…? ツッコミどころ満載のパロディ映画5選。意外と面白い? 玉石混交のC級映画をラインナップ
創作物には“パクリ”と呼ばれる類似作品が現われるものである。それは映画界においても同じだ。だが“パクリ”作品も見方によっては、なんだか笑えたりもする。「タイトルや雰囲気を何となく似せたので、間違えて観てくれないかなあ…。」多分そんな感じであろう。今回は、製作者たちの熱い思いがこもった“パクリ映画”を5本厳選してご紹介!(文・ZAKKY)
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彼女といちゃつくパートが多すぎる!
衣装のチープさと謎の昼夜逆転現象に注目
〇本家『ダークナイト』(2009)
×パクリ『ブラックナイト・リターンズ』(2009)
原題:THE BLACK KNIGHT- RETURNS
監督:フアン・アビレス
脚本:フアン・アビレス、カルロス・ペレス
出演者:アダム・サランドラ、ウィン・デルーゴ、ランダル・マローン、リック・コーベット
【作品内容】
中世に誕生した黒騎士団の一族は、長年にわたって世界を脅かす巨悪と戦い、人知れず世界の平和を守ってきた。そんな一族に史上最強の敵が立ちはだかる。敵はアメリカ政府に取り入り、国家権力を握ろうとしている。黒騎士団のリーダー・マックスは、敵の計画を阻止するために敵陣に騎士を差し向けるのだが…。
【注目ポイント】
まず、最初の20分くらいは、誰が主人公なのかよくわからない。冒頭から観る者を拒む、かなり挑発的な演出だ。観ていくうちに、一応、ダブル主人公みたいなことがやりたいのか? と、かろうじて物語が把握できる。
そして、世界の命運を握る(はずの)エヴァンが女に現を抜かしてる間に、敵側組織は、着々とクーデターを企てているという、シビれる展開も必見。そう、主人公の修行パート以上に、彼女といちゃつくパートが多すぎるのが、この作品の一番ツッコミたくなるところであり、一番笑えるところでもあるのだ。
そして、御多分に漏れず、キャラクターたちが身に着けている衣装はチープ極まりない。いくら低予算とは言え、もう少しなんとかなったであろう。序盤に出てくる変なキャラのマントなぞ、黒いビニール1枚という、もはやギャグである。そう考えると、昨今の一般人コスプレイヤーたちのクオリティーの高さは目を見張るものがあると、思わずコスプレカルチャーへの敬意を深めてしまう次第だ。
また、シーンによってランダムに、昼間であったり夜であったりするという時間経過が無茶苦茶な点にも注目。撮影日の関係だとしても「昼間のシーンは昼間にまとめて撮れや!」と、素人でも考えられる、およそ映画人が撮ったとは思えないシーンが随所に見られる。
特に電話をしている時は夜で、切ったら昼間になっている場面は、涙なしでは語れない。C級映画好きであれば見逃せない作品だ。