栗林藍希の演技に死神も思わず拍手? プロ野球・DeNAドラマ『神様、おねがい』撮影現場に潜入。取材レポート

text by 小松加奈

プロ野球・横浜DeNAベイスターズが球団史上初の試みとなる、縦型連続ショートドラマ『神様、おねがい』を制作。シーズンと連動した物語を展開する本作の第9話が、本日8月18日18時にベイスターズ公式SNS(TikTok/YouTubeほか)にて配信。今回は、そんな本作の撮影現場の様子を届ける。(文・小松加奈)
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人気インフルエンサー2人が入念に動きをチェック!

『神様、おねがい』第9話メイキング写真
『神様、おねがい』第9話メイキング写真

 主人公はベイスターズファンで横浜スタジアムのボールパーソンを務める大学生・浜辺きらら(栗林藍希)は、ある日死神(ぎぃ子)と出会い、魂を狙われてしまう。きららは「ベイスターズが優勝したら私は生き延びる」と死神に条件を出し、ベイスターズを応援。果たして彼女の生命はどうなるのか―。

 第9話では、人気インフルエンサー2人が本人役で登場。勉強苦手な中高生の授業動画や大人の学び直しのために発信する「あきとんとん」と、ASMRをメインに発信している女性クリエイター「あやんぬ」の力を借りようときららが懇願し、自身が死神から魂を狙われていることを2人に明かすのだった。

 実際の球場スタッフのシャツとキャップを着用したきらら、ふわっとした黒の衣装+厚底の靴の死神が会議用のテーブルにスタンバイ。きららにしか見えない死神はイスに座らないため、テーブルに寄りかかりながら地べたにちょこんと居る姿が印象的だった(ちなみに死神メイクには45分かかるとか)。

 今回が初演技というあきとんとんは監督に質問しながら動きを確認。あやんぬも真剣な表情で話に耳を傾けていた。死神が見えないからこその視線などにも注意が向けられていたほか、2人が表情をほぐすために笑顔を作ってみる一幕もあった。

キャスト陣がカット数の多い並々ならぬ撮影に臨む!

『神様、おねがい』第9話メイキング写真
『神様、おねがい』第9話メイキング写真

 本番がスタートすると、細かくさまざまな角度で撮影され、映像を縦型で観られるモニターを用いながらチェック。カットを多用し、視聴者を惹きつける工夫をしている本作のカット数の多さに圧倒させられた。さらに、細かい演技のリクエストも加わるなど、キャスト陣が根気のいる撮影に臨んでいることがうかがえる。

 きららが「なりふり構ってらんないんですっ」と語気が強めるシーンでは、監督ときらら役の栗林が言い回しを追求。死神役のぎぃ子はしゃがんだ態勢のまま演技を行っており、座れない状況のなかで長丁場の撮影に挑むなど、彼女たちの役者魂が感じられた。また、チーム状況を示すきららのセリフも当日に現場で決定。本作ならではの臨場感も伝わってきた。

 人間に恋してしまった死神が正体不明のお仕置きを受け、青いしぶきを吐き出してしまい、きららにかかってしまうシーンは、仕掛けを使った大がかりな撮影に。撮影前に死神が苦しむ声をどう出すかを念入りにチェックし、仕掛けを何度も試しながら、いざ本番へ。緊張感が増すなか、死神→きららの順番で撮影。栗林の演技をモニターで見ていたぎぃ子は、OKが出ると思わず拍手。並々ならぬ撮影に挑んでいるからこそのキャスト陣の絆も感じられた。

 本作では、毎回ベイファンの心をくすぐる作り手の小ネタも話題に。第9話では、きららのパソコンのモニターの文字が…? まだ観ていない人はぜひチェックを。

【著者プロフィール:小松加奈】
ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。フジロックは初年度から参加。プロ野球好き。ジャンルを問わず、心を動かすもの/ことに夢中。

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【了】

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