主人公はクズ…? 声優はひどい? 映画『風立ちぬ』は美の追求とエゴイズムをテーマにした野心作。歌に込められた意味を考察
text by 編集部
ジブリ映画『風立ちぬ』をあらすじ(ネタバレあり)、演出、脚本、配役、映像、音楽の項目で徹底解説。宮崎駿監督が庵野秀明を主演に抜擢し、堀辰雄の同名小説を映画化。ヒロイン・菜穂子のモデルと印象深いシベリアのシーンの意味とは? 本作は面白い? つまらない? 真の評価を多角的な視点で明らかにする。
映画『風立ちぬ』のあらすじ
大正時代の東京。少年・堀越二郎(庵野秀明)の夢はパイロットになること。しかし、二郎は近眼であり、目標は叶えられそうにない。
ある日、二郎はドイツ人設計士・カプローニ(野村萬斎)と夢の中で会話を交わす。夢で出会ったカプローニの言葉に勇気づけられ、二郎は設計士を目指すのだった。
成長した二郎は東京帝国大学に入学し、設計学を学んでいる。そんな折、関東大震災が発生。二郎は汽車の中で里見菜穂子(瀧本美織)と出会う。
大学を卒業した二郎は、大企業「三菱」に就職した。仕事熱心な二郎に対する周囲の評価は日増しに高まり、大日本帝国海軍の戦闘機開発プロジェクトのリーダーを任される。幼少時からの夢が叶い、張り切る二郎だったが、完成した飛行機は不備のため事故を起こしてしまう。