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モンゴルのアダルトグッズショップが舞台…。映画『セールス・ガールの考現学』は面白い? 忖度なしガチレビュー

text by 柴田悠

モンゴル映画の新境地、映画『セールス・ガールの考現学』が公開中だ。どこまでも広がる草原というモンゴルのイメージを鮮やかに打ち破る本作は、ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルでグランプリを受賞。その内容とは…?本作のレビューをお届けする。(文・柴田悠)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】

モンゴルにアダルトショップ!?

c 2021 Sengedorj Tushee Nomadia Pictures

一般的に「モンゴル」といえば、どこまでも広がる草原にゲルが立ち並び、馬が闊歩する…そんなイメージを浮かべる人が多いのではないだろうか。しかし、そんなモンゴルのイメージを鮮やかに打ち破る作品がこの度登場した。

舞台となるのはモンゴルの首都・ウランバートル。しかも大人のオモチャが所狭しと並ぶ「アダルトグッズ・ショップ」というから驚きである。

監督はジャンチブドルジ・センゲドルジ。『Lovers』(2016年)がモンゴル版アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞、『Life』(2018)がウランバートル国際映画祭で最優秀長編作品賞を受賞した。現代のモンゴル映画界を代表する俊英である。

ジャンチブドルジの長編11作目となる本作は、第20回ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルでグランプリを獲得。主演はバヤルツェツェグ・バヤルジャルカルは、大阪アジアン映画祭で「最も輝きを放っている出演者」に送られる薬師真珠賞を受賞している。

本作のヒロイン・サロールは、原子工学を学ぶおっとり地味目な大学生。彼女は、怪我をした大学生に代わり、アダルトグッズ・ショップで働くことになる。はじめは乗り気ではなかったものの、周りのいわくありげな大人たちに感化されていくサロール。特にさまざまな人生経験を積んだアダルトショップのオーナー・カティアからの影響は大きく、彼女は徐々におしゃれな大人の女性へ変わっていくー。

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